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2022年4月8日(金)

戦争か平和か―日本の進路が問われる参院選

日本共産党の真価発揮し必ず躍進を

参議院選挙勝利・全国総決起集会 志位委員長が幹部会報告

(報告全文)

 内外情勢の大激動のもと歴史的政治戦となる参院選の公示まで2カ月半となるなか、日本共産党は7日、党本部と各地をオンラインでつないで「参議院選挙勝利・全国総決起集会」を開きました。幹部会報告に立った志位和夫委員長は、会議の目的は5月9日に開催する5中総に向け党躍進の確かな流れを作り出すことにあるとのべ、「戦争か平和か―文字通り日本の進路が問われる歴史的たたかいで、日本共産党の真価を発揮した大奮闘で必ず躍進を勝ち取ろう」と呼びかけました。報告は、都道府県委員会や地区委員会などで視聴会が開かれ、党内通信で1万1千人以上が視聴。ユーチューブでの視聴も広がりました。午後からは、都道府県委員長会議で討論し、志位委員長がまとめをおこないました。(志位委員長討論まとめ)


写真

(写真)幹部会報告をする志位和夫委員長=7日、党本部

ウクライナ侵略―四つの点で共産党の立場に確信を

 報告で志位氏は、新型コロナ対応、ウクライナ問題、参院選の政治論戦と野党共闘の展望、党躍進目指す諸活動について詳しく解明しました。

 そのなかで志位氏は、ロシアのウクライナ侵略について、今引き起こされている世界の平和秩序の危機、人道的危機は極めて深刻だと指摘すると同時に、「危機の中で日本共産党の理性的・先駆的立場が発揮されている」として、四つの点で確信をもとうと呼びかけました。

 第一はこの問題にのぞむ基本姿勢です。「この問題への対応の最大の基準に国連憲章と国際法をおいてきた」と強調。ロシア・プーチン政権の“三つの無法”((1)国連憲章違反の侵略(2)国際人道法に反する戦争犯罪(3)核兵器による威嚇)を糾弾し、「国際世論の包囲によって侵略を止めるために、最後まで力をつくす決意だ」と表明しました。

 そのうえで、国内の一部にある「どっちもどっち」論をめぐって、日本共産党は軍事同盟のない世界をめざす立場からNATO(北大西洋条約機構)の東方拡大などを批判してきたが、軍事同盟の問題はロシアの侵略の免責にはならないと指摘。侵略国と被害国を同列におく「どっちもどっち」論は「国連憲章に基づく平和秩序の否定につながる議論」だと批判しました。

 第二は、核兵器問題への対応です。ウクライナ侵略で、生物・化学兵器、核兵器使用の現実的危機が生まれているとして、「核兵器の使用は絶対に許さない―この声を全世界であげていくこと、とくに唯一の戦争被爆国・日本からあげていくことを強く呼びかける」と訴えました。核の先制使用を国家の基本戦略に据え、その使用をためらわない指導者のもとで、「核抑止」が無力になっていると指摘し、日本が核兵器禁止条約に参加することは待ったなしだと強調しました。

 第三は、党綱領が明らかにしている世界論の重要性です。志位氏は、「危機は深刻だが歴史は無駄には流れていない」との大局的見方が大切だとのべ、国連総会でロシアの侵略への非難決議が2回にわたって140以上の加盟国の賛成で採択されたことは歴史的な意義を持つと指摘。綱領が明らかにした「世界の構造変化」の力がここにも示されていると強調しました。

 そのうえで、この戦争をどういう形で終わらせるかは、世界の平和秩序の行方を左右する大問題だとして、「『国際世論の力で侵略を止め、侵略者に責任をとらせ、国連憲章に基づく平和の国際秩序を回復する』という決着をつけるために最後まで力をつくそう」と呼びかけました。

 第四は、日本共産党が、「どんな国であれ覇権主義を許さない」という歴史と綱領を持つ党であるということです。日本共産党は旧ソ連の時代からロシアの覇権主義に対して「社会主義とは無縁」と厳しく徹底した批判を貫いてきた自主独立の党だと指摘。党綱領にも「どんな国であれ覇権主義的な干渉、戦争、抑圧、支配を許さず、平和の国際秩序を築く」とした命題を書き込んでいるとして、「この党の歴史と綱領に確信と誇りをもって、国民に広く伝えていこう」と訴えました。

戦争か平和か―「戦争する国」許さず9条生かした平和な東アジアに

 参院選で何が問われるかに話をすすめた志位氏は、何よりも参院選は、戦争か平和か―日本の進路が根本から問われる選挙になると指摘。ロシアのウクライナ侵略に乗じて「戦争する国」づくりの大合唱が起きているとして、「日本共産党はこの逆流に正面から立ちはだかり、『危機に乗じた9条改憲を許さず、9条を生かした外交で東アジアを平和な地域に』と訴え抜いてたたかう」と強調しました。

 このなかで、岸田首相が繰り返す「敵基地攻撃」論が安保法制のもとで特別の危険をもっていることに警鐘を鳴らし、それと連動する9条改定で「軍事対軍事」の危険な道に引き込む動きにストップの審判をと呼びかけました。

 また、安倍晋三元首相と一体に「核共有」を提言した日本維新の会の悪質さを告発。被爆国の政党の資格はないと批判しました。国民民主党も政府予算案賛成で与党宣言し、9条改憲を主張、「敵基地攻撃」も事実上賛成しているとして、「参院選では、日本共産党の躍進で自民党・公明党・維新の会・国民民主党による平和を壊す『翼賛体制』を許さない審判を下そう」と訴えました。

新自由主義を転換し「やさしく強い経済」を

 暮らしと経済をめぐる対決点について志位氏は、「弱肉強食の新自由主義を続けるのか、それとも根本から転換するのか」という重大な対決点が浮き彫りになっていると強調しました。

 その上で、党が提案する新自由主義を転換する「やさしく強い経済」をつくるための五つの大改革の先駆的意義を指摘。世論調査でも国民の圧倒的多数が深刻な格差を感じている下で、党の提案が「国民多数の願いに応え、響きあっている」こと、物価高騰という現在の経済情勢の中でも打開の答えを示していると強調しました。つづけて、大企業の内部留保課税の提案を詳しく語り、気候危機打開、ジェンダー平等を「やさしく強い経済」をつくる上でも重要課題に位置付けていると強調しました。

野党共闘―本格的発展に向け新たな土台を

 市民と野党の共闘の到達点と展望について報告した志位氏は、立憲民主党との党首合意の具体化に努力をはじめているとし、「参院選で次につながる成果をあげることに力をつくす」と表明。共闘への妨害や障害が激しいもとで、「野党共闘の本格的発展には、参院選での日本共産党の躍進が決定的に重要」と力説しました。

参院選に向け党躍進の流れを

 志位氏は、参院選をめざす諸活動の到達をのべたうえで、「いま党を飛躍させる条件は大いにある」と強調。岸田自公政権に代わる新しい日本の進路を旗幟(きし)鮮明に掲げている、100年の歴史で試された反戦・平和の党など、「他党にない日本共産党ならではの値打ちを広げ切るならば、大激戦の参院選で勝機をつかむことは必ずできるし、何としても勝機をつかむ大奮闘を展開することを心から訴えたい」と述べました。

 その上で、活動強化の方向として、「元気の出る政治指導・実践活動」を強調。勝利のためにやるべきことは明瞭だとして、(1)全有権者対象の大量宣伝(2)対話と支持拡大で飛躍(3)党員と読者拡大で前進―の3点を具体的に提起しました。

 この中で、「はてな」リーフの絶大な効用をのべるとともに、「綱領を学びながらたたかう」選挙にしようと呼びかけ。綱領について「国民にわかりやすい資材」として『新・綱領教室』の活用も訴えました。

 また、民青同盟の拡大が昨年を上回る成果をあげていること、少なくない巨大メディアが時流に流され、「力の論理」を信奉する逆流にのみ込まれるもとで「しんぶん赤旗」がかけがえのない役割を果たしていると強調しました。諸活動の前進のためにも、会議やつどい、演説会などで「リアルに集まる」を重視することも提起しました。

 最後に志位氏は、「情勢の大激動のもと、党創立100周年の年にたたかわれる政治戦で、反戦・平和、民主主義、国民の苦難軽減のために一筋にたたかってきた日本共産党の真価を発揮した大奮闘で、必ず躍進を勝ち取ろう」と呼びかけました。


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