2022年4月7日(木)
私大入学 費用最多223万円 21年度 首都圏自宅外
仕送りから家賃除く生活費1日650円
東京私大教連
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首都圏にある私立大学新入生の「受験から入学までの費用」が2021年度は過去最高になる一方で、仕送りから家賃を除いた生活費は過去2番目に低い水準にとどまったことが6日、東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の調査で分かりました。高学費の重い負担がコロナ禍で依然として深刻になっている実態が明らかになりました。
調査は11の私立大学・短大の新入生の保護者を対象に行ったもので、37回目の今回は4960人が回答しました。
調査によると、「受験から入学までの費用」は自宅外通学者で平均約223万円と前年度に比べ約1万7000円増え、過去最高となりました。家賃などの増加が背景にあると見られます。
「入学の年にかかる費用」は自宅外通学者で平均約303万円と世帯年収の3割を占めました。自宅通学者でも平均約161万円に上りました。
毎月の仕送り額は8万6200円。家賃を除いた生活費は月1万9500円、1日あたり650円で、いずれも過去2番目に低い水準となりました。
保護者からは「コロナ禍でアルバイトができずに収入がなく困っている」「私学で1人暮らしをすると1人1000万円以上も必要」「給付型奨学金や授業料減免制度があっても年間40万円以上の支出となる」といった声が寄せられました。
東京私大教連の山本篤民委員長は「コロナ禍2年目の調査でも依然として私立大の学生を取り巻く経済状況は厳しい」と強調。親からの仕送りは減る一方、学生が健康を害するまでアルバイトに依存しなければならない実態を踏まえ、奨学金制度の拡充や学費の負担軽減を求めました。
阿部康一郎書記長は、ウクライナ情勢による物価高騰の影響で「仕送りでは足りなくなる学生がますます増えていく」と指摘。このままでは「大学への進学を諦めたり、退学する学生が出てくる」と懸念を語りました。