2022年4月1日(金)
緊急事態条項
憲法の原則脅かす
衆院憲法審 赤嶺氏が主張
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衆院憲法審査会は31日、「緊急事態条項」などをテーマに自由討議を行いました。日本共産党の赤嶺政賢議員は「緊急事態条項は憲法の原則を脅かす」と主張しました。
自民党や日本維新の会などは、内閣が立法措置を行う緊急政令や国会議員任期延長などを明記する「緊急事態条項」について、論点が整理されてきたとして、意見をまとめるべきだなどと主張しました。
これに対して赤嶺氏は、緊急政令や財政処分は国会の立法権を奪い、内閣に巨大な権限を与えるもので「憲法の原則を脅かす、憲法停止条項だ」と指摘。明治憲法の緊急勅令も議会承認を必要としながら田中義一内閣が乱用し、国会で廃案になった治安維持法の重罰化改悪を勅令で制定したことにふれ、「緊急事態条項は常に乱用の危険と隣り合わせというのが歴史の教訓だ」と述べました。
また、赤嶺氏は、国会議員任期の延長は、国民の参政権を侵害し、国民主権と民主主義をゆがめると強調。「国民の支持を失った政府が政権を維持することを可能にする本質的な危機がある」との憲法学者の意見を示し、「内閣の一存で任期延長できるなど、権力の統制を幾重にも緩め、時の政権の延命を認めるものであり、許されない」と批判しました。
赤嶺氏は、歴史的に任期延長は戦時に挙国一致体制をつくるために用いられてきたと強調。1941年に、国民を選挙に集中させるのは不適当だという理由で衆議院任期が1年延長されたことをあげ、「そのもとで戦争翼賛体制がつくられ、太平洋戦争へと突き進んだ」と指摘しました。この反省から日本国憲法は「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、制定された。この歴史を重く受け止めるべきだ」と語りました。