2022年4月1日(金)
安保法制下の敵基地攻撃能力――9条改憲を許さない
志位委員長が表明
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日本共産党の志位和夫委員長は31日、国会内で記者会見し、岸田文雄内閣への「総合的評価」を問われ、「岸田政権の一番危険な点は、安保法制のもとで敵基地攻撃能力保有の議論を進めていること、それと一体に9条改憲に前のめりであることだ」と厳しく批判し、「安倍・菅政権でもできなかった危険な道に踏み込むものだ。私たちはこの道は絶対許さない立場で臨む」と表明しました。
志位氏は「安保法制とは、『存立危機事態』だと認定しさえすれば、日本に対する武力攻撃がなくても、どこかの国と戦争を始めたアメリカを助けるために、集団的自衛権を行使して武力行使ができる仕掛けだ」と指摘。同日の衆院本会議で共産党の本村伸子議員の質問に岸田首相が「日米同盟の抑止力の強化」一辺倒の答弁を行ったことを示し、「今進められている敵基地攻撃能力保有検討は、かつて議論されたものとは違う。安保法制のもとでのものであり、本当に危険だ。それは日本を守る議論ではまったくなく、アメリカと一緒に自衛隊が海外に攻めていく議論だ」と強調しました。
その上で、「安保法制を発動し、相手国の領空に入って爆弾を落とすことになれば、それは先制攻撃になっていく。(岸田首相は)いまその議論を先頭に立って進めている」と指摘。「これは(ロシアの)プーチン大統領がやっていることと同じ戦争行為であって、憲法9条とは絶対に両立しない議論だ。安保法制下の敵基地攻撃能力保有と憲法9条改憲はメダルの裏表だ」と批判しました。
志位氏は「安保法制下の敵基地攻撃能力を9条改憲とセットで進めることによって、軍事対軍事の悪循環という危険な道に日本を引き込む動きに、参院選で厳しい審判を下す必要がある」と主張。「私たちがかねてから提唱しているように、憲法9条を生かした平和外交によって東アジアを平和と協力の地域にしていく、そうした外交戦略を訴えていきたい」と表明しました。