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2022年3月31日(木)

9条生かした平和外交を

武力に武力で対抗、100年前の思想 果てしない軍拡競争の先に道はない

革新懇街頭宣伝から

 東京・新宿駅前で30日、全国革新懇と東京革新懇の代表世話人各氏が、ロシアのウクライナ侵略とともに、侵略を口実に9条改憲や軍拡などをあおる議論を批判しました。


 五十嵐仁法政大学名誉教授は、ウクライナ侵略は、「主権の尊重」「領土の不可侵」「武力行使の禁止」に明確に違反する国連憲章違反の侵略行為だと指摘。「満腔(まんこう)の怒りをもって批判したい。一刻も早く武力行使を停止し、停戦を実現してロシア軍がウクライナから撤退することを求めたい」と訴えました。

民主主義への挑戦

 新日本婦人の会東京都本部会長の佐久間千絵さんは「ウクライナ侵略は戦後私たちが築いてきた国連憲章と民主主義の体制に対する挑戦です。武力に武力で対抗することは100年前の思想です。攻撃をするから攻撃をされる可能性が生まれる」と強調しました。

 日本宗教者平和協議会代表委員の奥田靖二氏は「宗教者の立場から、ロシアによるウクライナ侵略での戦争行為に断固反対します。私たち宗教者は何よりも人々の命を大切に考えてきました。キリスト教は『汝(なんじ)、殺すなかれ』。仏教も命を大事にする、人を殺してはならないということを教義の第一に掲げている」「神や仏を信じる人も、信じない人も、平和の課題では一致して行動していきたい」と訴えました。

 山口大名誉教授の纐纈厚氏は「平和憲法に従って絶対に戦争を起こさない。戦争が起きてしまったら私たちも政治家もその時点で敗北です。だから憲法9条は戦争を起こさないための平時からの努力を怠ってはならないと繰り返し説いているのです」と訴えます。

 佐久間氏は「力に対し力で」対抗するのではなく9条を生かすことを強調。「憲法9条は、日本の過去の侵略戦争への深い反省から、政府の行為によってふたたび戦争の大火が起こらないよう決意をし、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を定めたものです。いまこそ憲法9条を生かした平和外交こそ、日本ができる最大の国際貢献です」と述べました。

 翻訳家の池田香代子氏は「侵略を止めるツールとしての理念を持っています。私たちは憲法9条によって政府が他国を侵略することを禁止しています」「政府が他国を侵略することを禁止する仕組みが世界に広がることが、(国会での)ゼレンスキー大統領の訴えの実現になる」「侵略を止めるツールを手放すわけにはいきません」と主張しました。

 慶応大名誉教授の小林節氏は、9条の理念を実現するために「9条の理想はその通り。私もそれは捨てません。ただ、世界に向かって主張するには共通の政権を持っていないといけない。野党共闘を進めて、まずは政権を取ってください」と期待を表明しました。

侵略口実に改憲論

 ロシアによるウクライナ侵略を口実に自民党や日本維新の会が「敵基地攻撃能力」の保有や「核共有」の議論、9条改憲をすすめようとしている問題について小林氏は、「この状況で勢いづいた右翼勢力が『だから日本も憲法9条を改正して核兵器を持つ』とか、『敵基地攻撃能力』すなわち先制攻撃を合憲だと勢いづいています」と指摘。「核兵器を持って、敵基地攻撃能力すなわち先制攻撃をやったら、それこそロシアのウクライナ侵略と同じです」と批判しました。

 五十嵐氏は「『核共有』などと言って、日本が核兵器を持てるわけがない。こういうことを平気で口走る安倍元首相や維新の会は、唯一の戦争被爆国であり福島第1原発の事故によって核の恐ろしさをどこよりもよく知っている日本の政治家としては失格だ」と強調しました。

 元狛江市長の矢野裕氏は「中国は尖閣諸島などでの覇権主義的な暴走、台湾への圧力などを強めています。日本政府は、それに対抗するために、軍備増強や日米軍事同盟の一体化、強化を叫んでいます。しかし、日本がこういう道で対応すれば、中国はさらにそれを上回る軍事的な圧力をかけるでしょう」「日米がエスカレートして、果てしない軍拡競争に陥ることになりはしないでしょうか。力の論理、力で解決しようとする強者の論理は、プーチン政権の発想と変わりません」と主張しました。


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