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2022年3月28日(月)

主張

消費者物価の上昇

圧迫される暮らし 対策を急げ

 食料、エネルギーをはじめ生活必需品の価格が急上昇しています。昨年来の原油価格高騰に加え、ロシアのウクライナ侵略が物価を一段と押し上げ、コロナ危機で落ち込んだ日本経済にさらなる打撃を与えています。国民の暮らしと中小企業の営業を守る対策を急がなければなりません。

賃上げ実現は政治の責任

 2月の消費者物価は前年比でガソリン22・2%、電気代19・7%、生鮮食品10・1%上昇しました。景気の実感を商店主などに聞く内閣府の「景気ウォッチャー調査」には「ウクライナ情勢による原油高や物価の上昇に収入の上昇がついていけない」(東北地方のコンビニ店長)、「エネルギーや商品の物価高にウクライナ情勢が追い打ちをかけ、急速な落ち込みを感じる」(四国の建設業者)といった深刻な声が寄せられました。

 4月以降さまざまな商品の値上げが予定されている上、外国為替市場で円安が進んでいるため輸入物価が上がり、家計の負担はますます増えることになります。

 ロシアとウクライナの小麦輸出は世界全体の約3割を占め、ロシアの侵略で国際相場が急騰しています。農林水産省は輸入小麦の製粉業者への売り渡し価格を4月に17%引き上げます。

 原油価格は、コロナ危機からの経済回復の動きで需要が増え、昨年後半から上昇していました。ウクライナ侵略開始直後には国際市場の先物相場が7年ぶりに1バレル100ドルを上回りました。レギュラーガソリンの店頭価格(資源エネルギー庁調査)は昨年初めの130円台から170円台に上昇しています。侵略が1カ月を超えて先行きが不透明なため、高値が長引く恐れがあります。

 賃金を引き上げるために政治が責任を果たすことが重要です。大企業の内部留保は470兆円を超え過去最高です。賃上げの体力は十分です。

 大企業の内部留保は安倍晋三政権が行った法人税減税で増え続け、2012年から20年にかけて130兆円も増えています。適正な税を課して応分の負担を求めることは待ったなしです。

 日本共産党は内部留保課税で得た新たな税収を中小企業、中堅企業の賃上げ支援に使い、最低賃金を全国一律で時給1500円に引き上げることを提案しています。

 消費税を5%に減税することが急務です。4月からの年金給付削減や、児童扶養手当の引き下げをやめさせることも切実な要求です。中小零細業者や個人事業主への事業復活支援金は持続化給付金並みに拡充する必要があります。

円安進める政策見直しを

 輸入物価が上がっているさなかに日本銀行が「円安は日本の経済・物価にプラスになるという基本構図は変わっていない」(黒田東彦総裁)との姿勢を示しているため、円安がさらに進んでいます。

 日銀が9年間続けている大規模な金融緩和政策は、巨額のお金を金融市場に投入して株価をつり上げるとともに、ドルに対する円の相場を引き下げました。物価の安定は日銀法で定められた使命です。輸入物価を押し上げる円安を放置すべきではありません。

 大規模な金融緩和は安倍元首相が日銀に導入させた政策です。それをまったく見直さない岸田文雄首相の責任が問われます。


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