2022年3月25日(金)
米無人機 墜落が頻発
参院委・井上氏「鹿屋配備やめよ」
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日本共産党の井上哲士議員は24日の参院外交防衛委員会で、海上自衛隊の鹿屋基地(鹿児島県鹿屋市)に米空軍無人攻撃機MQ9を配備する計画について、同機は墜落事故が突出して多く住民の安全が脅かされると批判し、配備の中止を求めました。
井上氏は、MQ9は偵察や監視だけでなく精密攻撃の能力も持ち、アフガニスタンではミサイル攻撃に使われたと指摘。「多用途の実績と能力を持つ無人機の展開は、周辺国の軍事的緊張を高める」と追及しました。
MQ9の運用について尋ねると、増田和夫防衛政策局長は「MQ9は情報収集のための形態に変更されており、攻撃任務は実施できない。運用は一時的な展開だ」と答弁。井上氏が「一時展開」終了後に再度展開することは絶対ないかと問うと、増田氏は「答えは控える」と述べ、再展開を否定しませんでした。
井上氏は、英国の調査団体「ドローン・ウォーズ」の報告によると、運用が開始された2007年以降でMQ9の墜落事故は少なくとも72件に上り、機種別では2番目と突出して事故が多いと指摘。事故原因として機械の故障や通信の問題などが挙がっていると紹介し、無人機の事故に対する認識をただしました。
岸信夫防衛相は「運用を改善していると米軍から説明を受けている」と述べるにとどめました。井上氏は、報告書では「(無人機の)技術は成熟まで遠く及ばず、月2回程度と頻繁に事故を起こしている」と警告していることにふれ、配備中止を強く求めました。
参院外交防衛委員会は同日、在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)に係る特別協定を日本共産党、参院会派「沖縄の風」以外の賛成多数で可決しました。