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2022年3月15日(火)

論戦ハイライト

参院予算委 大門議員の質問

大門 経済悪化、カジノは“絵にかいた餅”

首相 法に基づき手続き進める

写真

(写真)質問する大門実紀史議員=14日、参院予算委

過大な需要予測

 「非現実的な『絵にかいた餅』だ」―。日本共産党の大門実紀史議員は14日の参院予算委員会で、コロナ禍やロシアのウクライナ侵略など世界と日本の経済悪化が予測不可能な中、「カジノIR(統合型リゾート)建設」の計画は中止せよと迫りました。

 カジノ計画の認定申請は来月4月28日が締め切りで、現在、大阪府、和歌山県、長崎県が計画を提出しています。大門氏は、国も自治体も国民の暮らしを守るために財政もマンパワーも集中すべき時に、「民間とばく場」の建設などやっている場合ではないと批判。日本に参入予定の海外カジノ大企業の相次ぐ撤退など、「カジノ実施法」が成立した2018年での経済見通しは崩壊していると指摘しました。

 大門 申請・審査の流れを止めて、計画全体を見直すべきだ。

 岸田文雄首相 わが国が観光先進国になるためにIRは必要だ。

 大門 その答弁が全て崩れているといっている。

 大門氏は、3府県の各「整備計画」がコロナ禍やロシア情勢を踏まえていないと批判。初期投資では大阪1・8兆円、和歌山4700億円、長崎4300億円だが、ヒアリングを行った大阪と和歌山に資金調達について具体的な根拠を要求しても示すことができず、各3議会で当局は希望的観測のような説明しかしていないと指摘しました。また、大阪で毎年2000万人の来場者数を見込むなど、3府県は「過大な需要」の試算を行っていると述べ、「積算の根拠など、現実的可能性を含め(国は)しっかり審査すべきだ」とただしました。

自民からも反旗

 こうした荒唐無稽な計画に自民党も異論の声を上げ始めています。大門氏は、自民党大阪市議団による「IRには公金が投入される」「IR誘致の条件が変わった」「経済波及効果などの根拠があやしい」との指摘とともに、北野妙子・同市議団幹事長の「IR誘致には嫌疑があり、賛否を決することができない」との発言を紹介し、次のようにただしました。

 大門 このまま見切りスタートをしていいのか。党総裁として大阪市議団の思いや意見を聞くべきではないか。

 首相 「IR整備法」に基づき必要な手続きを進めていく。

 大門氏は「住民の思いもある。民意を無視して、この計画をそのまま進めるわけにはいかない」と主張しました。


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