2022年3月9日(水)
軍備増強 悪循環やめよ
米軍中距離ミサイル 井上氏が配備批判
参院外交防衛委
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日本共産党の井上哲士議員は8日の参院外交防衛委員会で、中国との対峙(たいじ)を意図した米軍中距離ミサイルの日本配備について「米国と協議したのではないか」と迫り、「軍備対軍備の悪循環を広げ、日本を米中の紛争に巻き込むことになる」と批判しました。
米インド太平洋軍は2021年に米議会に提出した書面で、アジア太平洋地域での米軍の戦力増強に向け、中国と対峙するため、沖縄など「第1列島線」に沿って射程500キロメートル超の地上発射型ミサイルの配備を要求しました。井上氏は第1列島線沿いは日本も対象範囲だとして米国との協議について質問。林芳正外相は「米国から、地上発射型中距離ミサイルは通常弾頭の開発試験の段階にあるとの説明を受けている」と述べ、「直ちに配備する状況になく、具体的な配備先について検討は行っていないとの旨の説明を受けている」と答弁しました。
井上氏は、昨年の自民党総裁選での高市早苗候補(現政調会長)の「(同ミサイル配備は)必要」との発言を岸信夫防衛相がツイッターで高く持ち上げたことを示し、「配備が必要との考えか」と追及。岸氏は配備の必要性については答えず、「ツイートは防衛大臣の私が個人的につくった」と弁解しました。
井上氏は米議会の諮問機関が昨年11月の報告書で、同盟国などの米中距離ミサイルの受け入れ意思を調査する協議に言及しているとして、「米国と協議していないといいながら、防衛大臣がツイートしたことは配備が必要だと公言するのと同じだ」と批判しました。