2022年3月8日(火)
主張
3・8国際女性デー
侵略許さず平和と平等の声を
きょう8日は国際女性デーです。平和、くらし、女性の権利を掲げて世界で女性が行動する日です。今年はロシアによるウクライナ侵略によって多数の人命が奪われ、戦火に追われ多くの女性と子どもたちが国を離れざるをえない緊迫した情勢のもとで迎えました。平和なくして平等はありません。女性の声を結集して、ロシアの侵略に強く抗議し、撤退を求める行動をさらに広げましょう。
戦争止める世界の連帯
国際女性デーは20世紀初めのアメリカの女性たちによる女性参政権を求める行動が起源とされます。その後、第1次世界大戦開戦の危険が迫りつつある1910年に、社会主義をめざす女性の国際会議で「国際女性デー」開催が決議され、女性参政権をはじめ、あらゆる女性の要求を掲げて国際連帯の立場で取り組むことが決められました。
この会議では、女性参政権や母子保護の課題とともに、帝政ロシアによるフィンランドへの抑圧が報告され、「平和のために」の決議が採択されたといいます。これ以降、「パンと平和と参政権」をスローガンに、くらし、平和、女性の権利・地位向上を求めて世界中で取り組まれてきました。
平和の課題は女性デーが一貫して受け継いできた伝統です。武力や暴力で人々を支配しようという考えは、ジェンダー平等社会とは相いれません。今、世界中で女性たちが「戦争反対」を訴えて立ち上がり、ロシアでも人々が弾圧に抗して声をあげています。
日本でも国際婦人年連絡会が「唯一の戦争被爆国である日本で『平等・開発・平和』の実現のために活動する立場から」ロシアに抗議する緊急声明を発表したのをはじめ、婦団連、新婦人、婦人民主クラブ、主婦連合会、日本YWCA、日本女医会など多くの女性団体が抗議を表明しています。国際世論でプーチン政権を包囲することが必要です。
この事態に乗じて、安倍晋三元首相らが日本の「核共有」や大軍拡を主張し、岸田文雄政権も「敵基地攻撃能力の保有」の検討、憲法9条改悪を狙う動きを強めていることは絶対に許せません。
コロナ危機の長期化で女性のくらしも一層深刻化しています。1月に開催された「女性のための相談会」には失業、DV、生活保護など、4日間で400件近い相談が寄せられました。「自己責任」を押し付ける冷たい社会の中で、こうした支援活動や「生理の貧困」対策を求める運動など、温かい連帯と共同が積み重ねられてきました。
選択的夫婦別姓制度を求める運動の前進や、#MeToo運動に始まった性犯罪に関する刑法改正の検討、困難を抱える女性支援法制定の動き、ケア労働者の待遇改善など、声と運動が政治を一歩一歩動かしています。
伝統を受け継ぎさらに
今年も東京で国際女性デー中央大会がオンライン開催されるのをはじめ、各地で集会や行動が計画されています。
世界の女性と連帯し、ジェンダー平等と平和、くらしを守るために幾多の困難を乗り越えて歩みを積み重ねてきた女性デーの伝統を受け継ぎ、平和と人権が真に尊重される平等な社会の実現へ、声をあげ、手をつなぎ、運動をさらに進めましょう。