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2022年3月7日(月)

ウクライナ避難民 ベルリンに到着

独市民、手差し伸べる

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(写真)ボランティアから食料や支援物資を受け取る避難民=5日、ベルリン市内(桑野白馬撮影)

 【ベルリン=桑野白馬】ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受け避難してきた人を救おうと、ドイツ各地で大勢の市民が手を差し伸べています。ベルリン中央駅には5日も、ウクライナ避難民が次々到着。黄色いベストを着た係員やボランティアが対応していました。

 駅構内には、情報提供窓口や食事・医療サービスの提供に加え、市民から寄せられた衣服や子どものおもちゃが集められた場所が設けられています。おとなが支援物資を受け取る間、子どもたちの面倒を見る場所もありました。

 3人の子どもと首都キエフから避難したユリナさん(28)は、毛布と帽子、食料を受けとりました。ロシア軍の爆撃が迫るなか、バスと電車を乗り継いで到着。しかし、友人と連絡が取れなくなりました。「がれきに埋もれてしまったのかも。残った夫のことも心配だけれど、まずは泊まれる場所を探さなくては」と涙をぬぐいました。

 欧州連合(EU)は3日に開いた内相理事会で、ウクライナから逃れてきた人に対し、当面2年間、EU圏内での滞在許可を与える保護措置で合意。就労や教育の権利も保障されます。ドイツ鉄道は2月末以降、ウクライナからの避難民の運賃を無料にしています。

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(写真)避難民を自宅に迎え入れようと待機する人たち=5日、ベルリン市内(桑野白馬撮影)

市民「1部屋どうぞ」

性的少数者支援も

 ベルリン中央駅の構内には、ロシアによる侵略を受けたウクライナから避難してきた人々を自宅に迎え入れるためにドイツ人家族が集まっていました。「1部屋空きあり。女性1人+子ども2人まで」などと書いた手書きのメッセージを掲げています。係員が「3人どうですか?」と拡声器で呼びかけると、条件の合った人が支援を申し出て、一緒に家に向かいました。

 ベルリン市内に住むスベンさん(53)は「子ども連れの女性が到着するニュースを見て、何とか力になりたいと思った」と語りました。

 ボランティアのマリア・ドミンゴさん(26)は「LGBTQ(性的少数者)の窓口はこちら」と書いたプラカードを持参。「避難民にも多様な人がいる。差別や偏見がもとで適切な支援が妨げられてはいけない」と強調します。通信アプリ「テレグラム」を通じた呼びかけに応じた仲間と役割分担を決め、2日間でLGBTQの支援体制を整えたと言います。

 北アフリカのモロッコ出身で、北東部ハリコフに留学していたマロアンさん(21)の通っていた大学は爆撃で破壊されました。「ハリコフはめちゃくちゃだ。仲間とも離れてしまい悲しい。でも、あたたかく行き届いた支援には感謝している。いつか恩返ししたい」と話しました。


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