2022年3月6日(日)
通りうめる「戦争反対」
ウクライナ支援パレード 東京・渋谷
東京都渋谷区で少なくとも1000人以上(主催者)が集まり、ウクライナに連帯を示した5日の「ウクライナ支援パレード」。在日ウクライナ人グループの呼びかけに応じたさまざまな国の人と日本人が、同区内の青山通りにあふれました。刺しゅうを施した民族衣装姿のウクライナ人らとともに、青と黄のウクライナ国旗やロシアのプーチン大統領を非難するプラカードを掲げ、「戦争反対」と訴えました。(小梶花恵、小林圭子、津久井佑希)
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母親がウクライナ人の中学生(13)は5年ほどウクライナで過ごした後、日本大使館から帰国するように言われ2月に帰国したばかりだといいます。
「寝ていたらお父さんに起こされて戦争が始まったと知った。『どういうこと』と凍り付いた。現地には親戚や友達がいる。なぜ僕たちの国を襲うんだ」
ウクライナ近隣のブルガリア出身で、ウクライナ人の友人が多くいるというパルバノフさん(30)は「これは民主主義への挑戦だ。多くの無辜(むこ)の人たちが独裁者に殺されている。とにかく止めなければ。私にできることは少ないが意思を示す。民主主義を終わらせてはならない」。
田中さん(41)は「これは対岸の火事ではない。日本も加害者にも被害者にもなるかもしれない」と話しました。
「両親と、姉の家族がウクライナにいる。早く日本に呼びたいけど、キエフまでの道が危険で難しい」と話すのはウクライナ出身のオペラ歌手、デニスさん(43)。「家族はシェルターに避難し、飛行機と爆撃の音におびえている。昨日は原発にも攻撃があった。毎日心が痛い」と声を落とします。
来日14年目。「日本人もパレードにたくさん参加してくれて、ありがたい」と手を合わせました。
ロシア出身で、IT関係の仕事で来日して3年のセルゲイさん(35)は「ウクライナには友達もたくさんいる。この侵略は本当にひどい」と憤ります。「多くの日本人がウクライナを応援するために立ち上がっているのはとても良いことだ」と話しました。
約20人の在日ミャンマー人の姿もありました。ティサーさん(30)は「ミャンマーで市民が平和のために頑張ってたたかっている中で、他の所でも同じことが起きてしまった。国際社会が声を上げないと止められない」。
沿道から市民が参加者にハイタッチで連帯を示す場面もありました。手を振っていた8歳と6歳の日本人兄妹は「戦争は嫌だ。怖い。見たくない」。友人4人でパレードを見つめていた男性(14)は「今日みたいに声を上げれば声は世界に広がって、武力を使わずに紛争を解決することができると思った。次は参加したい」と話しました。