2022年3月3日(木)
警察庁の権限拡大慎重に
衆院委で塩川議員 改定警察法案を批判
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日本共産党の塩川鉄也議員は2日の衆院内閣委員会で、戦後初めて警察庁に捜査権を与え、直属のサイバー特別捜査隊の創設を盛り込んだ改定警察法案について、警察庁の権限拡大は慎重に行う必要があり、その検討過程も不透明だと批判しました。
塩川氏は、警察庁の部局改編が他の府省庁と異なり法律で定めているのは、警察の捜査が個人の権利と自由に多大な影響を与え、国会の関与と民主的統制のもとに置かれる必要があるためだと指摘。今回のサイバー特捜隊の構想は昨年6月に小此木八郎前国家公安委員長が突如記者会見で表明するまで政府の検討過程が一切不明だと批判しました。
警察庁の小島裕史官房長は、昨年より前に検討していなかったと認め、さらにその後の検討過程も「行政文書で保管している」と提出を拒否。塩川氏は「一向に明らかにしないのは許されない」と厳しく批判しました。
塩川氏は、今回の法改定は経済安保推進のための体制強化ではないかと質問。小島官房長は経済安保「法案と連動はしていない」として、正面から答えませんでした。
塩川氏は、経済安保に絡んだ警察捜査による深刻な人権侵害の事例が発生しており、「その反省もなく国民のプライバシー権、思想信条の自由が侵されかねない」と批判。戦前の人権侵害の反省から警察庁は捜査権を持たないという原則の転換は重大だと強調しました。
同日、衆院内閣委は同法案を採決し、賛成多数で可決。日本共産党と、れいわ新選組は反対しました。