2022年3月1日(火)

核の恫喝やめよ　軍備増強だめ　反戦言わなきゃ

被爆者５団体　声明＠長崎

（写真）ロシアの武力侵攻に抗議し、記者会見する（左から）田中、川野、本田の各氏＝２８日、長崎市

　長崎市の被爆者５団体は２８日、「ウクライナへの武力侵攻に断固抗議し、ロシア軍の早急な撤退を求める」との声明を発表しました。5団体のうち、田中重光・長崎原爆被災者協議会会長、川野浩一・長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会議長、本田魂・長崎原爆遺族会会長の３氏が市役所で記者会見しました。

　声明では「プーチン大統領は、核兵器禁止条約を完全に無視し、核兵器の使用さえありうると恫喝（どうかつ）している」と批判。「『核兵器使用もありうる』との発言を取り消し、国際社会との対話と協調を図る」よう強く求めています。

　テレビを見て、戦時中に体験した光景が浮かんできたという田中氏は、プーチン大統領が「核戦略を特別警戒態勢にする」と発言したことに「被爆者は７７年間、二度と被爆者をつくるなと運動し、やっと核兵器禁止条約が発効された。そんななかのロシアの蛮行に、世界中が抗議していかなければならない」と訴えました。

　本田氏は「言う通りにならないとどんな手を使っても従わせる。恐ろしい政治状況だ」と指摘し、川野氏は「核による恫喝はやめさせなければ」と力を込めました。

　５団体は他に長崎県被爆者手帳友愛会と長崎県被爆者手帳友の会です。声明は会見後、在日ロシア連邦大使館に送付されました。

平和願う灯＠京都

（写真）キャンドルをともし抗議する市民＝２７日夜、京都市・三条大橋

　ロシアのウクライナ侵略に抗議するアピール行動が２７日夜、京都市の三条大橋で行われました。１６０人以上の市民が橋上に並び、持ち寄ったキャンドルや、「ロシア軍はただちに撤退を」「ウクライナに平和を」と書かれたプラカードを掲げました。「ピースウォーク京都」が呼びかけたもの。

　戦争法反対の活動に参加してきた大学院生(２５)＝京都市＝は大学の友人と駆け付け「ロシアが理屈を付けても国連憲章のルールに違反したただの侵略です。ルールがいったん破られて黙っていたら、これが許されるかのような悪い流れが他にも波及する。いま市民や国際社会が声を上げ、示さないといけない」と話していました。

　行動を呼びかけた一人(６７)は「居ても立ってもいられず仲間と企画した。これを機にと日本で軍備増強の動きが強まっていることにも抗議したい。国境を越えて世界の人とつながることが戦争を止める力になる」と語りました。

連帯誓う旗＠札幌

（写真）ウクライナの人たちも駆けつけた札幌集会＝２７日、札幌市

　ロシアのウクライナ侵略に抗議する集会「＃ＮｏＷａｒＳａｐｐｏｒｏ０２２７」が２７日、札幌駅前で行われました。ＳＮＳなどの呼びかけに応え、約２００人が集まり、大きな「反戦」やＰｅａｃｅと書いた「レインボーフラッグ」、ウクライナの青と黄色の国旗をはためかせ「ＮＯ　ＷＡＲ」などウクライナに連帯するプラカードを掲げました。

　集会を企画した有志や高校生、道内在住のウクライナ、ロシア、ベラルーシの人たちが次々マイクを握り、注目を集めました。

　通りがかった２人の中学生(１４)は「学校で中心の話題です。関係ない人が大勢まきこまれているので絶対よくない」と話します。４０代の保育士は「ここに来て『戦争反対』と言わなきゃ駄目だと思いました。安保法制(戦争法）の時と同じくらい不安な気持ちでいっぱい」と当時からの「ママの会」の「ＮＯ　ＷＡＲ」のプラスターを掲げました。

　２１歳の青年は「口下手でみんなのようには話せないので、『平和』の花言葉の黄色いバラで表そうと思って」と購入した１輪の黄色いバラを見せました。飛び入り参加した４人の１８歳は「親が自動車関係の貿易でロシアと仕事上のやりとりをしています。すぐにでも戦争をやめてほしい」と話しました。

　段ボールのボードを掲げた「戦争させない市民の風・北海道」の山口たか共同代表、自由法曹団の渡辺達生弁護士が参加。日本共産党の畠山和也元衆院議員が駆けつけました。