2022年2月27日(日)
沈黙はいけない
在日ウクライナ人抗議 日本人も多数参加
東京・渋谷
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ロシアによるウクライナ侵略を受けて26日、在日ウクライナ人らが東京・渋谷のハチ公前広場で抗議集会を開きました。おとなから子どもまで幅広い世代の参加者が「Stop The War」などと書かれたカードを掲げ、日本にも支援を求めました。他の国籍の人や日本人多数もカードを持つなどして参加し、2000人以上(主催者)が交差点の一角を埋めました。
参加者の多くがウクライナ国旗にちなんだ青と黄色の布などを身に着け、思い思いに用意したというカードには「侵略を止めろ」「ウクライナよ強くあれ」などの文字。侵略の犠牲者に黙とうし、「ウクライナ人に対する殺りくを止めろ」などのスローガンを連呼しました。
マイクを握った参加者は「今この瞬間も多くの無実の命が危険にさらされている。日本も日本人も、できる限りの支援をしてほしい」と訴えました。
世界に向けての要求も掲げ、「ロシアからの石油、ガスなどの天然資源の輸入停止」「ロシアへのハイテク機器の輸出停止」などを訴えました。
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ウクライナ西部出身のイーゴルさん(31)は「これほど多数が参加するとは全く想像しなかった。心強い」と語る一方、「ロシアに侵略をやめさせるには、まだ政治的圧力が足りないと思う。主権国家への侵略は民主主義への攻撃だ。各国はもっと声を上げて」と焦りを募らせます。
カテリーナさん(35)は、クリミア半島に近い地域にある実家に母親がいます。
「昨夜電話したら、背後で爆発音や人の叫ぶ声が聞こえた。母は一人、地下室で震えている。手が届かない。どうしたらいいのか」
別の地域に住む友人からは、教会付近が炎上している動画が送られてきたといいます。
「私が学んだ町。軍事基地でも何でもない、私が歩いていた所が燃えている。この現実を知ってほしい」
ロシア人の姿もありました。ロストフ州出身のターニャさん(32)は、友人らと幅数メートルのウクライナ国旗を持って参加。「私の友人たちは戦争に怒っている。ただロシアには真実を報じるメディアがあまりない。政府のうそを信じる人もいる」
「プーチン反対」とロシア語で大書したプラカードを持って参加した武蔵野市の日本人男性(44)に参加した理由を聞くと、「プーチン大統領はあまりにひどすぎる」。
「もっと日本人は関心を持つべきだ。ロシアの行動は国際ルールにのっとっておらず、言語道断だ」と力を込めました。
在日ウクライナ大使館のツイッターを見て参加した西東京市の男性(69)は「沈黙してはいけないと思い参加した。一日も早く収まってほしい。そのためには世界の世論が大切だ」と語ります。
「憲法9条を持つ日本政府は、世界のどこの国よりも強いメッセージを発信してほしい」と強調しました。