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2022年2月26日(土)

論戦ハイライト

参院予算委 田村副委員長の質問

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(写真)岸田首相らに質問する田村智子副委員長(右)=25日、参院予算委

 25日の参院予算委員会で、コロナ禍のもとでの医療、検査、保健体制の拡充と、男女賃金格差の是正を正面から迫った日本共産党の田村智子副委員長。医療・公衆衛生の公的責任を後退させ、「同一価値労働同一賃金」を目指す国際水準から立ち遅れた政府の責任を批判し、政治の根本転換を迫りました。

コロナ下の医療

田村 入院できない過去最悪の事態が進行

首相 余力ある

田村 補助金出し病床削減 いつまでこんな政策進める

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 田村氏は、オミクロン株の拡大により深刻な医療ひっ迫が起こるなか、国が補助金を出して病床削減を進めていることを批判。医療提供体制の強化を求めました。

 田村氏は、全国知事会が15日、政府が昨年11月に出した「取組の全体像」の見直しや、医療ひっ迫の危機的状況を発信することなどを求める緊急提言を出したことを紹介。岸田文雄首相は「必要な医療は提供している」と述べましたが、現実には搬送先が見つからず、病院搬送せずにみとることになった腸閉塞患者の例などをあげ、次のように迫りました。

 田村 コロナ患者も、他の病気の患者も入院できない過去最悪の事態が進行している。

 首相 病床の稼働率、使用率でいうなら余力がある。

 田村 実態を見ていない。

 田村氏は、医療体制を恒常的に強化する予算はこの2年間組まれておらず、急性期病床の削減は着々と進められていると批判。コロナ危機のもとで、国の補助金を受けて、急性期病床は全国で2846床も削減されたことを明らかにし、「いつまでこんな政策を進めるのか」と批判しました。

検査がカギ 目標持った対策とれ

 田村氏は検査能力について、東京五輪開催時の8月1日には、8万3千件以上拡大(前月比)したにもかかわらず、10月以降の4カ月間では5万件しか増えていないとして、次のようにただしました。

 田村 どういう目標で対策をとったのか。

 後藤茂之厚生労働相 全都道府県に「全体像」に従い、検査体制の整備に関する計画の策定を依頼した。

 田村 数値的な見通しも目標もない。

 田村氏は、医療機関、高齢者施設・保育所・学校でのクラスター感染防止のためにも、経済を動かすためにも、検査がカギだと強調し、目標を持った対策を求めました。

崩壊しない公衆衛生体制こそ必要

 田村氏は、ひっ迫する保健所体制について、常勤職員が少ないため命の危機に直結する事態が生まれていると指摘。現場から、「臨時的な応援は助かるが短期で入れ替わるので、また仕事を教えなければならない」「保健師をせめて2倍にしてほしい。とにかく常勤職員の増員をしてほしい」「もう限界をはるかに超えている」などの声が出されているとして、次のように迫りました。

 田村 体制強化のためにどういう財政措置をしているのか。

 佐原康之健康局長 2年間かけてコロナ禍前の1・5倍の2700人に増員する。

 田村氏はこの増員は、保健所1カ所あたり、わずか2・4人分の増額だと指摘。東京都墨田区では感染が落ち着いている時に体制強化を繰り返し、コロナ前に10人だった感染症対応職員を180人(臨時・応援職員含む)に増やしたことを示し「体制強化とはこういうことだ」と強調。人口275万人の大阪市で保健所が1カ所しかないことをあげ、崩壊しない公衆衛生・医療体制こそ必要だと強調しました。

男女賃金格差

田村 将来を理由に賃金低くていいのか

厚労相 わが国の雇用慣行踏まえた

田村 国際基準ではありえない 同一価値労働同一賃金を

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 「男女賃金格差の是正は、ジェンダー平等を進める土台だ」―。田村氏は、正規労働者の男女賃金比較について取り上げ、勤続年数ゼロですでに月4・3万円の賃金格差があると指摘し、次のようにただしました。

 田村 政府は、女性は勤続年数が短いから賃金が低いと説明してきたが、実態は違う。どう説明し、是正するのか。

 野田聖子男女共同参画担当相 男女間賃金格差の是正に向けて有価証券報告書の開示項目にする。女性活躍推進法のスキームで制度見直しを検討する。

 田村氏は、有価証券報告書の開示項目は共産党の要求で実ったものだと指摘。その上で、有名デパートの募集要項では、総合職と一般職について入社後、どちらも売り場での接客業であるにもかかわらず、一般職は月4万円賃金が安いとして、「同じ仕事だから、是正されるべき格差ではないのか」と質問。後藤厚労相は「日本では、賃金は仕事の同一性だけでなく責任の程度も含めた職務の内容、職務内容配置の変更範囲などのさまざまな要素によって決定している企業が多い。わが国の同一労働同一賃金は、そういう仕組みの中で認められている」と答えました。

 田村 将来を理由に、非正規や一般職の賃金が低くてよいのか。このような格差を容認するのか。

 厚労相 わが国の雇用慣行を踏まえたものだ。今後、仕事のキャリアを積んでいくなども含めて考慮される。

 田村氏は「これは、国際基準の『同一価値労働同一賃金』ではありえない」と追及。「同じ仕事、類似の仕事は同一賃金。これはすべての男女に与えられた人権だ」と述べ、「日本政府の考え方は、国際水準から立ち遅れている」と批判しました。

 その上で、「男女雇用機会均等法で男女別採用が批判されると、企業は『コース別』人事で男女格差を温存してきた。それを許してきた政府の責任が問われる」と強調しました。


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