2022年2月25日(金)
ヘイト犯罪 怖いのは沈黙
国会内集会 放火事件受け国に対策要求
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「今こそ国によるヘイトクライム対策の実現を求める院内集会」が24日、実行委員会主催で国会内で開かれ、オンラインも含めて約160人が参加しました。昨年夏に京都府宇治市の在日朝鮮人集落「ウトロ地区」であった放火事件について報告があり、政府・行政にヘイトクライム(憎悪犯罪)対策を取らせるための提言などを議論しました。
ウトロ地区の事件では、昨年12月に男の容疑者が放火容疑で逮捕されました。以前、名古屋市の在日本大韓民国民団施設に火をつけたとして起訴された人物だったといいます。
放火事件当時、現場近くの事務所にいたウトロ民間基金財団の金秀煥(キム・スファン)理事が現場映像の上映を交えて報告。「当初、警察からは『漏電では』とあいまいに伝えられた」と振り返りました。
しかし容疑者が逮捕されたことで「憎悪と偏見による放火事件だったということを突き付けられた」といいます。
ウトロで生まれ育った具良鈺(ク・リャンオク)弁護士はオンラインで発言。「自分が燃やされたように感じた」「ヘイト事件の氷山の一角だが、一番怖いのはそれに対する社会の無反応、権力側の沈黙だ」と語りました。
司会を務めた師岡康子弁護士は「在日という属性だけで差別される状況は変わっていない。ウトロの事件もあまり取り上げられていない。公的機関から声が出ていない。国と地方自治体を変え、差別を放置する社会を変えるため具体的に声を上げよう」と訴えました。
日本共産党の本村伸子衆院議員が出席しあいさつしたほか、立憲民主党や無所属の議員も参加しました。