2022年2月20日(日)
シリーズ 維新の会 その実像は
大阪コロナ対策の異常
救える命 救えない
日本共産党府委員会コロナ関連対策本部長(参院大阪選挙区予定候補) たつみコータローさんに聞く
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大阪では維新府・大阪市政のもと、新型コロナ感染で「救える命が救えない」事態が起きています。背景に何があるのか。日本共産党大阪府委員会コロナ関連対策本部長の、たつみコータロー(辰巳孝太郎)前参院議員・大阪選挙区予定候補に聞きました。
「医療崩壊」再来の様相
―大阪では「医療崩壊」再来の様相を呈してきました。
たつみ 新型コロナウイルス感染拡大第6波を迎えた中で、大阪府は人口あたりの重症者数、死者数が全国ワースト1です。病床は極めてひっ迫し、適切な治療が受けられず命の危険にさらされる感染者が続出しています。
高齢者施設等におけるクラスター(感染者集団)は、件数、感染者数ともに第5波を超え、第4波をしのぐスピードで増えています。そんななか大阪市は、高齢者施設からの119番通報を控えるよう通知しました。第4波では「医療崩壊」し高齢者施設での感染者が入院できず、そのまま亡くなる方が相次ぎましたが、まさに第4波再来の様相です。
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保健所が機能不全
―発生届の入力漏れが大きなニュースになっています。
たつみ 保健所業務はひっ迫し、大阪市では1万人以上発生届の入力漏れが起こりました。必要な措置がとられないことにより、症状が悪化し救急搬送された人も出ました。市民の命が危険にさらされていることに対して大阪市の松井一郎市長からは謝罪もありません。
感染が確認された人へ府内の保健所から電話連絡し健康観察を行う「ファーストタッチ」の対象は65歳以上の人、重症化リスクのある人のみとなり、外来入院は中等症II以上に限られています。肺炎では入院できないということです。
感染者を早期に医療につなぐことができず症状が悪化し、「救える命が救えない」事態に陥り重症者や死者が増大していると考えられます。
科学に基づかないコロナ軽視
―なぜ異常事態を招いているのでしょうか。
たつみ 大もとは、維新府・大阪市政がコロナを軽視し十分な対策を打ってこなかったことにあります。科学に基づかない対応ともいえます。
松井大阪市長は1月、オミクロン株による重症化率はインフルエンザよりも低いとし、「インフルと比べ命に大きく関わる症状とは思っていない」と述べました。しかし肺炎や呼吸不全による重症化には至らなくても、生活習慣病など既往症の悪化で死者が増大し、死者のペースは第5波を大きく上回っています。
発生届の入力漏れも、1日1700人の感染者しか想定しなかった職員体制で起こったものです。人口275万人の大阪市に保健所が一つしかありません。保健所体制の強化をどこよりも進めなければなりませんが、松井市長は「人材も含め持っている体制の中では非常に厳しい」などと開き直っています。問題発覚後、入力のための職員体制をあわてて増強しましたが、なぜ初めからやらなかったのか。あまりにも対応が後手後手です。
見通しの甘さは吉村洋文知事も同様です。大阪府は昨年度、コロナ病床にも使われる急性期病床を229床も削減したことが日本共産党府議団の追及で明らかになり、現場の医師からも怒りの声が出ています。今年度、さらに426床の病床削減と502床の回復期病床への転換を進めています。府は明らかにしていませんが、多くが急性期病床とみられます。
大阪府は鳴り物入りで軽症者・無症状者800床、中等症者200床の大規模医療・療養センターを開設しましたが、中等症者用は30床運用分の人員確保しか契約されておらず、患者の利用は1人(18日現在)にとどまっています。大阪府は国や医師会に医師や看護師の要請すらしていませんでした。
大阪府がとってきた「重症化しなければいい」という方針のもとで感染者が増え続け対応ができなくなり、結局重症者や死者を増やしています。
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保健・医療体制拡充に人員を回せ
―いま緊急に求められていることはなんでしょう。
たつみ これ以上誰一人亡くならせてはなりません。改めて必要なのは、感染者を早期に発見し隔離し医療につなげるための検査、保健所、医療体制の強化です。とくに府内すべての保健所に保健師をはじめとする専門職員、事務職員を大幅に増員することが求められています。また自宅療養者への24時間往診・訪問看護体制を、医師会や地域の医療機関などと協力し府内全域で緊急構築することが必要です。
カジノ誘致などをやっている場合ではありません。大阪府・大阪市はIRカジノ担当職員など、可能な限りの人員をコロナ対策、保健所体制と医療の拡充にまわすべきです。日本共産党は府民の命第一の政治の実現に全力を尽くす決意です。