2022年2月20日(日)
北山大塔の存在可能性
金閣寺 穀田氏「重文に指定を」
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末松信介文部科学相は17日の衆院予算委員会分科会で、京都市北区の金閣寺庭園内に「北山大塔」が存在した可能性を認めました。日本共産党の穀田恵二議員が北山大塔が存在した物的証拠である「九輪(くりん)」が出土したことを示して質問したのに対する答弁です。
北山大塔は、従来「幻の塔」とされてきました。しかし、文化庁と京都府・市が行った昨年の調査で、「基壇(きだん、建造物を建てるために土を固めた基礎部分)があったとされる場所の土の堆積は密」とされ、大規模建造物があったことや、鎌倉期の焼けた木片が見つかり、大塔の頭頂部を飾る「九輪」の一部が出土しています。穀田氏は、北山大塔が実存した蓋然(がいぜん)性が高まっていると指摘しました。
その上で、京都市の埋蔵文化研究所の保管庫を訪問して、重さ8キロ以上ある「九輪」の一部を実際に手に取り歴史のロマンを感じたことや、文化庁所管の九州国立博物館で「九輪」が展示された際に掲載された図録では「本品は、この北山大塔の九輪と考えられ、これまで記録上の存在だった北山大塔の実在を裏付けるものである」と記していることを紹介。「北山大塔が存在した物的証拠である『九輪』の歴史的・学問的価値を認め、国の重要文化財に指定すべきだ」と要求しました。
末松文科相は、「北山大塔があった可能性は否定できない」と、初めて塔の存在に言及し、「大事なもの」であり、「文化庁としても職員を派遣し、『九輪』を見に行かせる」などと答弁しました。