2022年2月18日(金)
追加接種遅れ 責任重大
BS番組 小池書記局長が主張
自民・武見氏 開き直りと言い訳
日本共産党の小池晃書記局長は16日、BS―TBS番組「報道1930」に出演し、新型コロナウイルスの感染拡大防止とワクチン接種などについて自民党の武見敬三参院議員(自民党新型コロナウイルス対策本部・本部長代理)らと議論しました。
番組では、東京都や大阪府で重症者用の病床使用率が緊急事態宣言の要請基準を超えていると紹介。小池氏は、「医療のひっ迫が起こっており、ワクチン、検査、医療の拡充が緊急課題だ」と指摘。また、後藤茂之厚生労働相が3回目接種について、2月末までに希望する高齢者全員に接種を終える目標を示していたにもかかわらず、16日には高齢者施設の入所者へ「2月末までに完了したい」と述べ、目標が後退したと言及。「話が違う。重症者や死亡者が増えている原因は高齢者への追加接種の遅れであり、岸田政権の責任は重大だ」と強調しました。
1カ月のロス
司会の松原耕二氏も「2月末までに高齢者施設の接種は遅くないか」と指摘。武見氏は「昨日は1日100万人突破した。接種率はあげられるだろう」などと開き直りました。小池氏は、昨年11月時点でワクチンの在庫が全高齢者数を超える3800万回分あり、厚労省のワクチン分科会も追加接種を前倒しで開始するよう提言したにもかかわらず、岸田政権は12月になってようやく実施したと指摘。「この1カ月のロスは大きかった。岸田政権は間違いだったとはっきり認めるべきだ」と批判しました。
“期限切れ”危険
番組で、8割の高齢者が3回目接種を終えたイスラエルでもオミクロン株が拡大し、60代以上の重症者が2月に過去最多を更新し、特にワクチン接種後6カ月を経過した人が重症化している実態を紹介。松原氏は、約6カ月でワクチンの効果が失われる“期限切れ”をなくす戦略をイスラエルがとる一方で、日本は“期限切れ”が続いている人が多いと指摘。小池氏は、「高齢者で“期限切れ”が生まれているのは危険だ。高齢者施設などでのクラスターを防ぐために、昨年11月から接種を進め、期限切れをなくす努力をすべきだった」と批判しました。
一方で武見氏は、「ワクチン確保の見通しが立たず、計画は立てられなかった」「自治体ごとに備蓄量が違う」などと言い訳に終始。小池氏が「自治体判断で、できるところから接種開始を認めればよかった」と反論しても武見氏は、「計画を立てるのは難しい」と繰り返すだけでした。
コメンテーターの堤伸輔氏は、「私も小池さんと同じで3回目を早めに打ち始めていれば、高齢者の重症化を予防できたと思う。在庫があるのに打たないのはミスだ」と批判しました。
話題はオミクロン株対応のワクチンに。ファイザー社は1月末に同株に対応したワクチンの治験を開始し、3月末までの出荷目標を掲げています。長崎大学病院の森内浩幸教授は、現在のワクチンでつくられる抗体のうち、オミクロン株に有効なのは約40分の1で、同株対応のワクチンができれば効果が長持ちする可能性があると指摘。「違うタイプの変異株が出れば、新たなワクチンも有効性がなくなる。(全ての変異株に対応できる)『ユニバーサルワクチン』が開発されるまでのつなぎになるかもしれない」と述べました。
小池氏は、「オミクロン株対応ワクチンで時間をかせぐなかで、ユニバーサルワクチンの開発に日本のメーカーも参加し、世界の英知を結集することが必要だ」と述べました。
「ゲノム解析が日本でなぜ速やかにできないのか」との松原氏の質問に対し、武見氏は「ゲノム検査を強化する必要があるのは同感だ」と発言。小池氏は「財源をつけるのは政治の責任だ。武見さんがいうことを政治が実現できるようにすべきだ」と迫りました。