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2022年2月15日(火)

論戦ハイライト

原発施設真上でF16訓練

三沢基地 命脅かす地位協定見直せ

衆院予算委で高橋議員

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(写真)質問する高橋千鶴子議員(左)=14日、衆院予算委

 「基地との共存共栄をうたう自治体でも、何のために米軍基地があるのか。日本国民を守ってくれるどころか安全を脅かしていると疑問符が付く状態になっている」―。日本共産党の高橋千鶴子議員は14日の衆院予算委員会で、青森県米軍三沢基地所属のF16戦闘機問題を通して、不平等な日米地位協定やアメリカにものが言えない日本政府の姿勢をただしました。

楽観すぎる想定

 高橋氏は、三沢基地にF16戦闘機2個飛行隊50機の配備が開始されたのは1985年4月2日。一方、青森県が核燃料サイクル3施設(ウラン濃縮、低レベル放射性廃棄物、再処理)受け入れを正式に回答したのが同年同月の9日だったと指摘しました。

 そのうえで、青森県内の下北半島には六ケ所村の核燃料再処理工場や東通原発(東通村)、大間原発(大間町)、むつ市の中間貯蔵庫など原子力施設が集中し、三沢基地と六ケ所村の間には日米共有の天ケ森射爆場もあると紹介。直線距離で約30キロしかないと指摘し、原子力施設の立地審査など安全確保について、どのように立地審査が行われたのかを質問しました。

 原子力規制庁の市村知也規制部長は、当該施設が航空機落下に対する防護設計を前提に「直近20年間の航空機落下事故に関するデータをもとに確率評価を行った」とし、3・11の原発事故後の新規制基準に照らしても変える必要はないと強弁しました。

 高橋 楽観的すぎる想定だ。米軍三沢基地にF16戦闘機が配備されて以降、墜落や燃料タンクの投棄などの事故がどのくらいあったのか。そのうち三沢の特別管制区域内はどのくらいか。

 岡真臣防衛省地方協力局長 把握している2012年度以降のF16戦闘機の国内における墜落は、1回もない。燃料タンクの投棄は4回、模擬弾2回だ。このうち三沢の特別管制区域内では、燃料タンク1件、模擬弾は2件。

 高橋 (日本原燃が提出した資料では)訓練空域外を飛行中の落下事故は、自衛隊機10回、米軍機3回だ。

国内法の適用を

 高橋氏は、防衛省が12年度以降の事故件数しか把握できていないことを強く批判。これまでの事故を新聞報道でまとめた結果、「墜落が11回、模擬弾や燃料タンクの投下は30回に及ぶ。中には実弾も含まれていた」と告発しました。

 19年11月に六ケ所村でF16が模擬弾を落とした事故では、落下地点の付近に小中学校やこども園などもありました。この事故を受け、全国知事会は、航空機の安全航行を目的とした航空法をはじめ、日本の国内法を米軍にも原則適用することなどを求めました。

 高橋氏は「ここまで住民の命・安全が脅かされている以上、日米地位協定の見直しにふみきるべきではないか」と追及。米軍機の飛行の安全確保について「在日米軍に地元への影響に最大限配慮した安全な運用を求めた」と述べるにとどまる林芳正外相に対し、高橋氏は「配慮を求めたのであれば、日米合同委員会の記録をちゃんと公開するべきだ」とただしました。

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