2022年2月15日(火)
米軍への空域提供拡大
高橋議員追及 民間機への危険増す
衆院予算委
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日本共産党の高橋千鶴子議員は14日、衆院予算委員会で、米軍三沢基地(青森県三沢市)所属の空軍部隊が訓練のため使用する臨時訓練空域「マグナム」の存在を裏付ける資料を提示し、政府もその存在を認めました。高橋氏は「日本の空なのに日本政府の管制によらない空域が広がっており、国民の危険が増している」と批判しました。(論戦ハイライト)
高橋氏は、米軍の臨時訓練空域(アルトラブ)の一つである「マグナム」についての20年10月18日付の毎日新聞の報道を引用し、19年6月から東京ドーム約4万6千個分に当たる約2160平方キロも拡大し、空域提供が増加したことを指摘。同米軍基地の第35戦闘航空団のホームページ掲載の「MAGNUM AIRSPACE(マグナム・エアースペース)」に記載される航空高度の数値が、毎日新聞の記事報道にある高度上限9145メートルと一致すると指摘しました。
斉藤鉄夫国交相は「(マグナムは)米軍が使用している名前だ」と述べ、その存在を認めました。
「アルトラブ」について政府は、米軍の訓練のために一時的に管制業務を行い「時間とともに終了する」との見解を繰り返していますが、「マグナム空域」を含め、実際は固定化している疑いがあります。高橋氏は、国交省の20年度の「一者応札分析調査票」の「事業内容」にある「アルトラブ」の申請数の「年々増加、19年約7000回、5年間で倍増」との記述を紹介。「臨時とは名ばかりで、米軍機飛来の拡大で国民にとっての危険性が増しているのが実態だ」と主張しました。
高橋氏は、軍用機と民間機の航路を完全分離するきっかけは、1971年の雫石町上空での全日空と自衛隊機の衝突で乗客・乗員全員162人が死亡した事故だったと指摘。「『民間航空機の安全確保』の調整というなら米軍の空域を認めないことが一番だ」と迫りました。
米軍の訓練空域「マグナム空域」 |