2022年2月5日(土)
団交拒否は「違法」
労組事務所問題 大阪市の控訴棄却
大阪高裁
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大阪市が橋下徹市長時代に市庁舎内にあった大阪市役所労働組合(市労組)の事務所を強制撤去させた後の組合事務所供与について大阪市が市労組との団体交渉を拒否しているのは不当労働行為と認定した大阪府労働委員会の命令を不服として大阪市が命令の取り消しを求めていた裁判の控訴審判決が4日、大阪高裁(大島眞一裁判長)でありました。一審に続き、団交拒否は「正当な理由がない」として大阪市の主張を全面的に退け、控訴を棄却しました。
判決は、憲法28条と労働組合法により「労働条件に関する団体交渉を円滑に行うための基盤となる事項についても団体交渉権の保障の趣旨が及び得る」とし、「労働条件そのものでない交渉事項も団交事項となりうる」と指摘。管理運営事項を理由に市が団交に応じないことに対し、管理運営事項に当たらない事項を含み得る交渉事項の申し入れがされているとし、「団体交渉に応ずべき事項につき具体的に確認すべき立場にもかかわらず、十分に確認することのないまま団体交渉に応じないもの」であり、「正当な理由のない団体交渉の拒否にあたる」と認めました。
さらに「市の対応は誠実な交渉態度といえないのみならず、労働組合を軽視し、弱体化させる行為」であり、労組法7条3号の「支配介入に該当する」と断じました。
判決をうけて大阪市役所で会見した井脇和枝委員長は「私たちの当たり前の要求に応じるよう求めた判決でうれしい。コロナ禍で職員は必死になって働いている。大阪市は上告せず私たちと団交してほしい」と語りました。
市労組は同日、声明を発表。大阪市は判決に従い、団体交渉を開催し、正常な労使関係に修復することを求めるとともに、「憲法をくらしにいかし市民生活を守る大阪市になることをめざして引き続き奮闘していく」としています。