2022年2月4日(金)
米スタバ 労組結成の波
19州28都市・町の54店
労働者「企業と対等な関係を」
【ワシントン=遠藤誠二】コーヒーチェーン大手スターバックス従業員による米国内での労組結成の動きが、2022年に入ってさらに活気づいています。労働者側はスターバックス本部のある西部シアトルをはじめ、米国内ほぼすべての地域で、労働者が企業との「対等な関係」を求め組合結成をめざしています。
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昨年12月9日、従業員による労組結成の是非を問う投票を通じ、ニューヨーク州北部バファローのエルムウッド・ビレッジ店で全米初のスターバックス労組結成が決まりました。その後、同じバファローで、開票結果が保留となっていたジェネシー通り店も、賛成多数で結成が決定、現在まで2店舗で労組立ち上げが実現しています。
スターバックスでの労組結成をめざしキャンペーンを進めている「ワーカーズ・ユナイテッド」(WU)は1月31日、新たに6州、9都市・町、15店舗で従業員が全米労働関係委員会(NLRB)に労組結成の嘆願書を提出したと発表しました。
東海岸ボストンから西海岸シアトルまで、合わせて、19州、28都市・町、54店舗で組合結成の活動が取り組まれています。
スターバックス発祥の地シアトルでは、新たに2店舗の従業員が労組結成の取り組みを開始。現地からの報道によれば、従業員たちは「私たちは交渉するテーブルの席を得る」と団体交渉権確立にむけた決意を語りました。同市のサワント市議会議員は、労組結成支持の市議会決議案を発表し、採択にむけ賛同を募っています。
一方、スターバックス報道担当は「われわれは引き続き、組合は必要ないと考える」と表明しています。
ワーカーズ・ユナイテッドのミンター副議長は、「これらの運動でわれわれが目にしているのは、氷山の一角に過ぎないということだ。従業員が会社にとって真のパートナーになることを確約させるため、長期的な成功を勝ち取る決意でいる」と話します。
ワーカーズ・ユナイテッドは、各店舗の責任者らが、労組結成に賛成しないよう従業員に圧力をかけたりするなど、会社側は執拗な「ユニオン・バスティング」(組合つぶし)を行っていると指摘し、こうした行為をやめるよう要求しています。
民主党進歩派のサンダース上院議員は1月29日、「全国的な組織運動が活発になっている。彼らに強く連帯する」とツイートしました。