2022年1月29日(土)
国交省統計データ不正
衆院予算委 高橋議員追及
中小企業支援 影響の可能性
日本共産党の高橋千鶴子議員は28日の衆院予算委員会での質問で、国土交通省の「建設工事受注動態統計」のデータ改ざんにより、中小企業が本来受けられる支援を受けられないなど、影響が発生していた可能性を指摘しました。
政府否定せず
高橋氏は、中小企業への融資を政府が保証する「セーフティネット保証制度」への影響を指摘。支援の対象として業況が悪化した業種を選ぶさいに、受注動態統計も使われています。コロナ禍で一時期は全1146業種が指定されていましたが昨年7月に解除され、8月以降は535業種に絞られています。
高橋氏は「統計が正しければ、指定されていたかもしれない対象業種もあったのではないか」と追及。中小企業庁の飯田健太事業環境部長は「昨年不指定となった業種における影響について、確たることを申し上げるのは困難」などとして、影響を否定しませんでした。
高橋氏はまた、2016年3月までの調査票が廃棄されていると述べ、「調査票がすでに廃棄された00年から16年3月までは復元が不可能なのではないか」と追及。斉藤鉄夫国交相は指摘の調査票が廃棄されていると認め、「本来の数字に基づいて推計は困難だが、19年4月からのデータを活用して推計することは不可能ではない」などと開き直りました。
生活視点なし
さらに高橋氏は、21年8月に国交省が新聞記者から「ダブルカウントも発生」と指摘をうけ、総務省の統計委員会に相談していたことなどを指摘。統計委員会も「ダブルカウント=二重計上」の不正を認識していたのではとただしましたが、総務省の吉開正治郎政策統括官は「二重計上を知ったのは昨年12月の報道によって」などというだけでした。
高橋氏は、山際大志郎経済再生相や国交省が、不適切な数字が分母にも分子にも入っているので伸び率は「それほど変わらない」などとして、影響は「軽微」だと語っていたと指摘。厚生労働省の毎月勤労統計の不正の際に、特別監察委員会が「職員は統計を単なる数値としてしか見ていなかったのではないか。その先にある国民の生活を想起していれば、ずさんな対応が長年継続する事態にならなかった」と述べていることをあげ、「まさに国民の生活への視点を全く感じられない答弁だ」と批判しました。