2022年1月29日(土)
組織的隠ぺいの疑い
国交省統計不正 高橋氏追及「全容解明を」
衆院予算委
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日本共産党の高橋千鶴子議員は28日の衆院予算委員会で、国土交通省の「建設工事受注動態統計調査」の統計不正の問題をとりあげ、同省が組織ぐるみで隠ぺいし続けてきた疑いを指摘しました。(関連記事)
高橋氏は、2019年に発覚した厚生労働省の毎月勤労統計不正問題をあげ、「3年前も公的統計の大切さを共有したはず。教訓が全く生かされなかった」と指摘。統計不正を調査・検証する第三者委員会で、二重計上が起きたのが2013年以降とされているとし、「本当に二重計上を知らずにいたのか」とただしました。
しかし、斉藤鉄夫国交相は、検証委員会の報告書を読み上げるだけ。高橋氏は、「とても残念だ。国交省自身が調べた上できちんと答えるべきだ」と批判しました。
そのうえで、合算処理が組織ぐるみで行われていた疑いを告発。国交省は、提出が遅れた調査票の受注高実績は提出月に計上し、複数月分ある場合は調査票の数字を消して、1カ月分の実績としてまとめていました。このため、すでに完成した工事がある場合、工事の完成後に受注月がくるという、つじつまの合わない事態が生じます。
高橋氏は、国交省の資料に、「完成予定年月が受注月より過去であればエラーであるが、システムで自動的に修正」と明記されていると指摘。同省が、つじつまを合わせるために完成予定日を自動的に修正するシステムにしていたならば、上司の決裁が必要なはずだとして、「システム改修の決裁はどのレベルまで上がっていたのか」と迫りました。
国交省の高田陽介政策立案総括審議官は、「所管の課長決裁だ」と答弁。高橋氏は「まさに組織的にやっていたということにならざるを得ない。大臣は知っていたか」と追及。斉藤国交相は「詳しく存じ上げていない」とシドロモドロとなりました。
高橋氏は「国交省自らが全容解明を行うべきだ。それでこそ、本当の意味で再発防止策になる」と強調しました。