2022年1月20日(木)
衆参議運委 政府追及
塩川氏「米軍感染情報の公表を」
山添氏「濃厚接触者定義改めよ」
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衆参両院の議院運営委員会は19日、まん延防止等重点措置の対象区域を拡大するにあたって、それぞれ政府から報告を受け、質疑を行いました。日本共産党から塩川鉄也衆院議員、山添拓参院議員が質問しました。新型コロナウイルスのオミクロン株の急拡大で全国の感染者数が過去最多となっているにもかかわらず、岸田文雄首相は出席しませんでした。
塩川氏は、オミクロン株については専門家の科学的知見を踏まえた対策が重要だと指摘。山際大志郎経済再生担当相は1回も専門家と合同記者会見をしておらず、岸田首相も専門家を会見に同席させない方向だと報じられたことについて、「科学的知見を踏まえた対策と丁寧な説明、発信が必要だ」と強調しました。
在日米軍基地での感染拡大について、塩川氏は「基地ごとの新規感染者数・感染者総数が政府のホームページなどで公表されていない」と指摘するとともに、玉城デニー沖縄県知事からの「在日米軍の基地外居住者の感染情報が県に提供されていない」との訴えを紹介。感染情報の共有もままならない状況をつくり出し、米軍に特権的な地位を与える日米地位協定の見直しを求めました。山際担当相は「日米地位協定に基づく日米合同委員会で話し合っている」と開き直りました。
また塩川氏は、コロナ禍での事業者支援について持続化給付金・家賃支援給付金の再支給を迫りました。
一方、山添氏は「オミクロン株の感染拡大のスピードは急速だ。多数の医療従事者が陽性や濃厚接触者となり、診療を維持できなくなる」と指摘。エッセンシャルワーカーの検査費用は事業者負担だとして、国の費用で行うべきだと迫りました。山際担当相は「検査費用は検討の余地がある」と答えました。
山添氏は、都内の保育園では保育士の陽性が確認され濃厚接触者なしとされながら、その後、別の保育士や保護者の陽性が相次いで判明したと指摘。「オミクロン株の感染力の強さを踏まえ、濃厚接触者の定義を改め、濃厚接触者に準ずるものでも行政検査として無料で検査ができるよう徹底すべきだ」と求めました。山際担当相は、定義の骨格をかえることはないと背を向けました。
山添氏は、都道府県が民間業者などに委託している無料検査で陽性だった場合でも、医療機関でもう一度受検する状況があるとして、「これでは陽性者の保護が遅れ、濃厚接触者も増える」と指摘しました。山際担当相は、無料検査の結果を受けて医師が陽性と確定診断することは可能だと述べました。