2022年1月18日(火)
名護に新基地できれば「世界一危険」な街に
オスプレイの飛行ルート下に
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辺野古に米軍新基地が造られたら、名護の市街地上空は伊江島(伊江村)に向かうオスプレイの飛行ルートになり「世界一危険」な街になりかねない―。辺野古新基地建設の是非を最大争点とする沖縄県名護市長選(23日投票)で、市民の選択が問われます。
伊江島で激化
米軍伊江島補助飛行場では、2018年に強襲揚陸艦の甲板を模した着陸帯=LHDデッキの拡張工事が完了。20年にはMV22オスプレイの着陸帯4カ所が完成するなど、基地の運用能力が大幅に強化されました。伊江村によれば、18年度以降、防衛省沖縄防衛局による騒音測定で、騒音発生回数が増加傾向にあるといいます。20年度は60デシベル以上の騒音が同村西崎区で6435回、真謝(まじゃ)区で4109回発生。深夜・早朝の騒音も目立ちます。
日本共産党の名嘉實伊江村議は、「オスプレイの飛行が増え、やりたい放題になっている」と指摘。着陸帯以外の牧草地など、至る所に着陸し、住宅地上空の夜間飛行も増えているといいます。
重大なのは、辺野古新基地が建設されたら、普天間基地(宜野湾市)に所属するオスプレイなど米軍機が辺野古に移転され、伊江島で訓練する際、名護市上空を避けて通れないということです(地図)。普天間―伊江島のルートは多くが沖縄本島西側の海上と見られますが、辺野古―伊江島間は、大半が名護市上空となります。
日米両政府は、市街地のど真ん中にある普天間基地を「世界一危険」だと言い、「辺野古移設」が「危険性除去の唯一の選択肢」だと主張しています。深夜・早朝の爆音や部品落下、墜落の危険など、「世界一危険」な状況が、そのまま名護市全域に押し付けられることになるのです。
名護市長選で岸本ようへい候補の陣営が、宜野湾市の普天間第二小学校の校庭に米軍機の窓が落下し、今は米軍機が飛ぶたびにシェルターに避難させられている状況を訴えると、小学生がじっと聞き入り「がんばってください」と飲み物を差し入れてくれたと言います。岸本候補は「子どもたちの将来を考えたとき、辺野古新基地は認めるわけにいかない」と訴え続けています。