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2022年1月15日(土)

米軍コロナ検査 日本の「フリーパス」は異常

各国で地位協定に国内法適用規定も

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 新変異株「オミクロン株」など、「米軍基地由来」の新型コロナウイルス感染が爆発し、国民の命を脅かす中、検疫は米軍任せで、「フリーパス」の入国を認めている日米地位協定の改定を求める声が高まっています。日本政府は改定に否定的ですが、国内法の適用や、検疫に関与できる仕組みを整えている同盟国も少なくありません。

検疫規定ある

 沖縄県の調査によれば、検疫に関して、国内法の適用を明示しているのは米豪地位協定です。米軍は検疫などで、オーストラリア政府の国内法を「順守する」と明記。同国には米海兵隊が2012年からローテーション配備されていますが、入国に際して15年に制定された「バイオセキュリティー法」が適用されています。

 在沖縄米軍が訓練などで訪れるフィリピンも、米比訪問軍協定(VFA)で、フィリピン当局が要求した場合、米軍は検疫を実施することとしています。

 また、ドイツではNATO(北大西洋条約機構)軍地位補足協定(ボン補足協定)に、伝染病の予防・駆除で国内法の適用に関する規定があり、イタリアでも、「米軍駐留に伴うモデル実務取り決め」で、公衆衛生に関してイタリアの司令官が介入する規定があります。

 NATO軍地位協定第3条では、米軍など外国軍は出入国管理を除外されていますが、「受け入れ国が定めた手続きに従う」ことを条件としています。

主権国家なら

 一方、日米地位協定は第9条で、米軍は出入国管理に関する国内法の「適用から除外される」と明記。さらに、1996年3月の日米合同委員会合意で、検疫は米軍が「責任を負う」と明記し、日本の当局は関与しないことが合意されました。

 その結果、昨年9月から12月25日まで米本土から日本への出国時PCR検査が行われず、この期間に入国した米兵が沖縄など各地で「オミクロン株」感染を基地外に広げるというずさんな結果を招きました。

 日本がまともな主権国家なら、せめて他の米同盟国なみに地位協定の改定を迫るべきです。

 (竹下岳)


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