2022年1月13日(木)
米国→日本は検査なし、日本→米国は検査義務づけの異常
――昨日付「米兵出国前PCR 日本だけ除外」の記事について
12日付1面に「米兵出国前PCR 日本だけ除外」と題する記事を掲載していますが、記事で紹介した「しんぶん赤旗」入手の米軍資料(昨年12月4日時点のもの)は、米軍横田基地からの米兵の移動に関するものであり、米本土から日本に対する米兵の移動にさいしての出国前PCR検査の免除の根拠にはならないものでした。この点はおわびして訂正します。
他方、米軍資料は、横田基地から韓国・烏山空軍基地、シアトルやワシントン(米本土)、ディエゴガルシア(英領)など、日本以外の外国への移動にさいしては、出発72時間前のPCR検査を義務づけていることを明らかにしています。
米本土から日本に対する米兵の移動にさいして、米軍が出国前PCR検査を、昨年9月3日から12月25日までの期間、免除をしていたことは、すでに日本政府が明らかにしていたことです(12月24日の林芳正外相の記者会見および27日の松野博一官房長官の記者会見)。
この事実と、本紙が入手した米軍資料が明らかにした事実をあわせるならば、少なくとも昨年12月4日時点で、次のような事態であったことが明らかになります。
――米本土から日本に対する米軍の移動にさいして、出国前PCR検査は行われていなかった。日本国内の米軍基地間の移動――横田基地から嘉手納・岩国両基地への移動にさいしても、移動前のPCR検査は行われていなかった。
――逆に、日本から米本土に戻るさいにはPCR検査が義務づけられていた。
――日本から、韓国の基地、英領ディエゴガルシアなど、他国に米兵が移動するさいにもPCR検査が義務づけられていた。
日本から米本土に戻る際にも、韓国など外国に移動するさいにも、PCR検査を義務づけているのに、米本土から日本に来るときだけはPCR検査が免除される。こうした異常な姿が、日本政府の発表と米軍資料から浮き彫りになったといえます。(なお、米軍資料は1月10日付で同じものが更新されています)