2022年1月10日(月)
主張
成人の日
希望持てる社会 ともに築こう
きょうは成人の日です。新たな門出を迎えたみなさんに、心からのエールを送ります。
オミクロン株の急拡大で、今年もこの時期に成人式が行えない地域が広がりました。新成人のみなさんは、学業や仕事などでもコロナ危機の影響を受けてきたことでしょう。社会や政治のあり方が問われる事態になっています。
日本共産党は、オミクロン株への緊急対策を求めるとともに、コロナ危機の教訓を踏まえて新たな社会をつくることを提起しています。未来を考え、希望のもてる社会を築いていきましょう。
20年前と比べると
コロナ危機のもとでの痛苦の体験をつうじて、日本社会の冷たく、もろい姿が浮き彫りになりました。新成人が生まれた20年前と比べても、日本社会のそうした変容が見えてきます。
働く人の実質賃金は年額で40万円以上も低下しました。非正規雇用の比率は3割から4割へと増やされました。暮らしと経済を土台から支える力が弱められたことで、日本は、先進国のなかで最も「成長できない国」に転落しました。家計のゆとりは失われ、学生への仕送り額は月3万円も減り、「過去最低」を更新し続けています(東京私大教連の調査)。
重くのしかかっているのが、異常に高い学費です。高等教育における公費負担の割合は42%から32%へと先進国平均の半分以下に落ち込み、家計など私的負担への依存度が高まりました。奨学金制度は、1999年から有利子枠が一気に拡大されて“教育ローン化”が進み、卒業時に数百万円の借金となり、若者への「自己責任」押し付けが強められました。
生活のためのアルバイトが当たり前になりました。コロナ危機直前には授業期間中も恒常的にバイトをする学生が20年前の2倍に達し、全学生の7割を超えました。コロナでバイト収入が途絶えると食事もままならない学生が続出しました。
若者が安心して学べず、能力や可能性を伸ばす機会が奪われている社会に未来はありません。教育や福祉への公的責任を放棄し、競争と「自己責任」を強いる新自由主義を転換してこそ、将来への希望が見えてきます。若者・国民にやさしく、まともに発展していける強い社会の実現をめざし、力をあわせましょう。
社会を変える力は、若者のなかで育まれつつあります。日本民主青年同盟が主催する食料支援は10万人以上の学生が利用し、自分も何かしたいと支援する側にまわる学生も生まれています。新自由主義の呪縛から一歩抜け出し、社会を変える連帯は広がっています。
語り合い、政治変えよう
気候危機打開やジェンダー平等などの願いを掲げ、日本でも世界でも若者が立ち上がっています。英国で開かれた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に駆けつけた日本の若者らは、グレタ・トゥンベリさんなど世界中の若者と交流し、声を上げました。「みんなでつながることで、気候正義を実現できる」と希望を持ったと言います。
7月には参院選があります。暮らしや平和の願い、未来への希望を語り合い、政治を変えて新しい社会へと踏み出していく絶好の機会です。