2022年1月3日(月)
どこまでつぎ込むマイナンバー
3省庁だけで1000億円超
さらにマイナポイントや関連支出 見えにくい全容
厚生労働省、総務省、国税庁の3省庁が支出したマイナンバー制度の関連経費は少なくとも1000億円を超えていることが2日、本紙の調べでわかりました。この総務省の支出分には、マイナンバーカードの保有者にポイントを付与するマイナポイントにあてられた2020年度の予算2478億円分が含まれていません。実際は、この数倍にのぼるとみられます。一体いくらつぎこまれたのか、金額は?
(矢野昌弘)
|
本紙が官報の調達情報を集計したところ、11年から昨年末までにマイナンバー制度に関連する契約は、厚労省が634億円(38件)、総務省が199億円(37件)、国税庁が195億円(21件)でした。
さらに文部科学省が20億円(6件)、外務省が14億円(1件)などとなっており、10の省庁と最高裁判所の合計は少なくとも1116億円(132件)を超えています。
契約金額の大きなものでは、20年度に厚労省が入札を経ない随意契約で電機大手の富士通とリース業大手の東京センチュリーの2社に発注した年金業務システムの更改やデータ移行業務があります。この1件だけで355億円余の支出となっています。
契約総額の8割が3社に集中しています。内訳は富士通が538億円(18件)、NTTデータが179億円(29件)、日立製作所が173億円(17件)となっています。
大手広告代理店、電通は広報関連で総額63億円(8件)を受注しています。
この1116億円とは別にマイナンバー関連の支出があり、国民負担の全容が見えにくいものとなっています。国からの補助金をもとに市町村が地方公共団体情報システム機構に支出したものや、日本年金機構、学生支援機構などのマイナンバー関連支出もあります。
日本共産党の本村伸子衆院議員が21年、地方公共団体情報システム機構に開示させた情報によると、マイナンバーカード関連の支出だけで1453億円にのぼることがわかりました。これにはマイナンバー制度の分が含まれていません。
来年度には、総務省がマイナンバーカード普及予算として1027億円を計上しています。