2021年12月31日(金)
2021 職場のたたかい
不屈の闘争 政治動かす
2021年も労働者のたたかいで要求が前進しました。本紙報道で振り返ります。
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元建設作業員らが国と建材メーカーを訴えた建設アスベスト訴訟は、最高裁が東京、神奈川、京都、大阪の4訴訟で国とメーカー責任を認める統一判断を示しました。菅首相(当時)が謝罪を表明し、原告以外の被害者救済のため基金を設置する法案が全会一致で成立しました。長年の不屈のたたかいが政治を動かし、全面救済の道筋を確立する画期的成果をあげました。
直接雇用勝ち取る
個人事業主扱いにされてきたヤマハ英語教室の講師が労働組合を結成して団体交渉を重ね希望者の雇用化を実現しました。育児・介護休暇や病休も正社員に準じて適用され、残業代も支給されます。
大阪大学でも、雇用契約ではなく準委任契約とされていた非常勤講師について、実態に応じて直接雇用に切り替えることになりました。正規職員と非常勤講師の労組が共同で要求した成果です。
政府がすすめる「雇用によらない働き方」の拡大に対し、個人事業主扱いにされている労働者のたたかいを励ましています。
建材メーカーの東リで偽装請負で働かされていた元社員5人が直接雇用を求めた訴訟で、大阪高裁が直接雇用契約の成立と賃金支払いを命じる逆転勝訴判決を出しました。派遣先に違法行為があった場合、直接雇用を申し込んだとみなす派遣法の規定を適用した初の司法判断です。ただし、2015年の改正法から6年余もたっており、実効性ある派遣法改正が求められています。
大企業相手に勝訴
コロナ禍で持ち上がったラジオ支局(KBS滋賀)の閉鎖計画に対し、KBS京都放送労働組合がリスナーと連帯して放送継続を勝ち取りました。
大企業相手の訴訟でも、NECでは病休から職場復帰を認めず解雇された労働者が解雇撤回の判決を勝ち取りました。
トヨタ自動車には、男性社員の自殺は過密業務やパワハラとの因果関係を認める逆転勝訴の判決。日本IBMではJMITU(日本金属製造情報通信労働組合)支部の労働者が成績評価の賃金減額は違法と訴え、賃金減額撤回に追い込む和解を得ています。