2021年12月25日(土)
「黒い雨」疾病要件案に抗議
広島被爆者7団体・支援する会 幅広い救済に壁
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原爆投下後に降った「黒い雨」を浴びた被害者の救済をめぐり、厚労省が広島、長崎両県・市に新たな認定指針案を示したことを受け、広島の被爆者7団体と原爆「黒い雨」被害者を支援する会は24日、それぞれ広島市内で会見を開き、疾病要件を加えず、広島高裁判決にもとづき広く救済するよう訴えました。
広島県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長は会見で、がんなど11の疾病条件を提示した厚労省に対し、被爆者手帳の交付に疾病要件はないと述べ、首相談話の「幅広い救済」につながらないと批判し、撤回を求めました。
「支援する会」の竹森雅泰弁護士は疾病を要件とせず、被爆者援護法1条3号の「被爆者」と認めるよう改めるべきであり、広島県、市は厚労省と粘り強く協議を継続すべきだと述べ、厚労省、広島県知事、市長に意見書を提出したと報告しました。
元原告団長の高野正明さん、高東征二事務局長らは、「県、市は妥協すべきでない。27日にも回答を行う予定になっているが、早急に結論を出すべきではない」と語りました。
この日、広島県知事、市長がそれぞれ会見し、厚労省の指針案に対し、早期救済を理由に「受け入れる」と回答。県知事は、受け入れるが、疾病要件を外すよう要求するとしています。
高東事務局長は、「私たちは40年待たされた。申請書は出されています。申請にさかのぼって手帳は交付されるべきです。県、市は国の条件を受け入れるべきではない」と批判しました。