2021年12月17日(金)
二つの重大問題 徹底究明を
志位委員長が会見
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国交省統計書き換え・二重計上
アベノミクス粉飾の疑惑
日本共産党の志位和夫委員長は16日、国会内で記者会見し、国土交通省が「建設工事受注動態統計」のデータを書き換えて二重に計上していた問題について「非常に深刻な問題だ。誰が、何のためにこういう事態を引き起こしたのかが明らかにされる必要がある。国会で徹底的な究明が必要だ」と表明しました。
同統計は建設業の毎月の受注動向を示す国の基幹統計の一つです。
志位氏は、明らかになっている事実として、(1)書き換えと二重計上が2013年以降、第2次安倍政権の時期に行われたこと(2)二重計上によって国内総生産(GDP)が水増しされたこと―の2点を指摘。「今回のデータ書き換え・二重計上はアベノミクスの粉飾が目的だったのではないか。これが疑惑の中心であり、非常に深刻な問題だ」と述べました。
そのうえで志位氏は、GDPは経済政策をつくる上での基本中の基本だとして、「これが改ざんされていたとすれば、まともな国会論戦も成り立たないし、検証もできない。基本の“き”で深刻な疑惑があった以上、徹底究明が必要だ」と語りました。
財務省の森友公文書改ざん
安倍政権による国政私物化疑惑を岸田政権が葬り去ろうとしている
志位和夫委員長は同日の記者会見で、学校法人森友学園をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、自ら命を絶った近畿財務局職員の赤木俊夫さんの妻が国などに損害賠償を求めた訴訟で国が原告の請求を認める「認諾」を行ったことについて、「政府は認諾して幕引きを図った。これは許すわけにいかない対応だと強く言いたい」と批判しました。
志位氏は、認諾によって裁判所による事実認定などが行われないことを指摘し、「赤木さんの妻・雅子さんは『ひきょうなやり方だ』『お金を払えばすむ問題ではない』と言っており、雅子さんが解明を求めているのは改ざんの詳細な事実だ。どのような事実だったのか裁判で明らかにすることを求めた。それを断ち切り、真相にふたをする政府の対応を許すわけにいかない」と批判しました。
志位氏は「端的に言えば、安倍政権がつくりだした国政私物化の疑惑を岸田政権が葬り去ろうとしているのが今度の事態だ」と指摘。「国会で岸田首相などが『非を認める』と繰り返しているが、『どんな非があったのか』が問題であり、文書改ざんの詳細な経過と責任を明らかにする必要がある」と述べました。
その上で「国会で真相究明を続けなくてはいけない。関係者の招致、資料の提出を求めるなど、断固として真相究明を進めていく決意だ」と表明し、「この真相の究明は日本の政治に民主主義を取り戻していく上でどうしても必要だ」と強調しました。