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2021年12月11日(土)

「黒い雨」協議 被爆者認定に疾病条件

国提示に広島・長崎反発

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(写真)高野正明さん

 広島への原爆投下直後に降った放射性物質を含む「黒い雨」被害の広島高裁判決を受け、国・厚労省と広島・長崎県・市は10日までに第2回会合を開きました。

 厚労省が被爆者認定の指針づくりについて「考慮すべき内容」を提示。黒い雨に遭ったことの確認▽雨に遭った時間帯や場所が84人の原告と同じような事情だった▽がんや白内障など国が定める11の疾病を発症―を示しました。

 広島・長崎県・市は「広島高裁判決は、疾病のあるなしは要件としていない。原爆の放射能により健康被害を生じることを否定できないことを立証すれば足りる」と、線引きをせずに広く救済するよう要求。雨域外でも雨にあったと認められる合理的理由があれば対象にするよう主張しています。

 長崎県の担当者は「“長崎被爆体験者”とされる地域で放射性降下物を含む灰や雨の影響を受けた人がおり、原告と同じような事情にあったことを考慮するべきだ」と同様に救済するよう求めたと語りました。

 元広島県「黒い雨」訴訟原告団長の高野正明さんは、「1000人を超える人が県や市に申請書を提出し、さらに増えています。黒い雨が降ったかどうかや、11の疾病があるかどうかで差別するべきではありません。広島高裁判決は、内部被ばくを認め、広く救済するよう判決を下しました。高裁判決のうえに、国は認定すべきです。唯一の戦争被爆国の行動を世界が注目しています」と語りました。


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