2021年12月11日(土)
米スタバに初労組 「歴史的瞬間」「沈黙しない」
NY州西部
【ワシントン=遠藤誠二】米大手コーヒーチェーン・スターバックスで、初めて労働組合が結成されることになりました。ニューヨーク州西部の都市バファローにある3店舗で労働組合設立の是非を問う従業員投票の開票が9日に実施され、エルムウッド店では、労組加入を19対8の賛成多数で承認しました。
労組結成をめざし運動を進めてきた「スターバックス・ワーカーズ・ユナイテッド」(SBWU)は同日、記者会見を開催。エルムウッド店で働いてきたミシェル・エイゼンさんは「歴史的な瞬間だ」と述べ、労働者に対する会社の考えを変える「最初のステップだ」と話しました。
他のメンバーも「今日まで会社側に意見を言えなかった。もう沈黙しない」「勝利の日だ。スターバックスが労組を認めるまでたたかい続ける」と語りました。
投票を実施した連邦政府の独立機関、全米労働関係委員会(NLRB)は開票の様子をオンラインで公開。米国内をはじめカナダやスイスなどからも視聴され、「おめでとう。連帯します」「今日は偉大な日だ。バファローのみんなを誇りに思う」などの祝意が送られました。
世界規模で展開する大手コーヒーチェーンでの組合結成となれば、米国内8000店の他店舗に波及する可能性があります。すでにバファロー地区の別の3店舗、南部アリゾナ州メサの3店舗も組合結成にむけた嘆願書をNLRBに提出しています。
組合認め交渉を
結果を受け、SBWUは会社側に対し、組合を認め交渉の席に着き、反組合の立場を変えることなどを内容とする「公正で持続可能なスターバックス合意」を交わすことを求めました。
SBWUが参加することになるサービス業国際労組(SEIU)傘下「ワーカーズ・ユナイテッド」のリン・フォックス国際議長は、「私たちの新たなメンバーを歓迎したい」と語りました。
民主党進歩派のサンダース上院議員は「彼らは歴史を築いた。全国の立ち上がる人々を勇気づけた。労働者はふさわしい尊厳を勝ち取ることができる」とツイートしました。
会社側は「結果は暫定的なもので、われわれと従業員の関係をすぐに変えるものではない」とのコメントを発表しました。
この日開票された他の2店のうち、1店は反対が多数となり、労組結成派が異議申し立てをしています。残りの1店はまだ結果が出ていません。