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2021年12月1日(水)

校閲の目

是々非々

写真

(写真)1935年4月1日発行の『広辞林』新訂版から

 政治の世界でよく聞く「是々非々」。良いこと(是)は良い、悪いこと(非)は悪いとして公平な判断をする意味の四字熟語です。一見、中立の立場に見える言葉です。

 この言葉をよく使う日本維新の会は先の臨時国会で「岸田政権に対しても、これまでの政権と同様、是々非々主義で」と代表質問で使っていました。菅政権、安倍政権に対しても同様の立場でした。

 「是々非々主義」は、大正時代に流行したといいます。戦前の国語辞書には「政友会総裁原敬氏が、時の寺内内閣の政策方針に対し、しばしば自党の態度を声明するに用いし標語」で、「転じて好意の中立を守り世間に対し糊塗する主義」と書かれています。是々非々の政友会は「準与党」(平凡社大百科事典)でした。

 維新は「与党の補完勢力にはなりません」と言いますが、戦争法(安保法制)やカジノ、病床削減、医療費2倍化など、国民生活を壊す悪法には次々賛成してきました。また自民の改憲策動を応援・後押ししています。まさに補完勢力です。

 日本共産党は、何でも反対ではなく、国民にとって良いこと、たとえば35人学級にむけた改正案には賛成し、悪いことには反対します。「是々非々」は、誰にとって良いことなのか、見極めることが大切です。

 (河邑哲也)


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