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2021年11月24日(水)

看護・介護…賃上げと呼べない

岸田政権に各団体批判

 岸田政権による新たな経済対策(19日発表)に盛り込まれた看護、介護、保育職などの賃金引き上げ策をめぐり、「賃上げとは呼べない代物」などと、各団体から厳しい批判の声が上がっています。

 発表された引き上げ幅は、介護・障害福祉職員、保育士等・幼稚園教諭で月9000円(月収の3%程度)、看護師については、対象を限定した上で月4000円(同1%程度)にとどまりました。しかも、期間は来年2~9月で、同年10月以降については、来年度予算編成の過程で検討するというもの。

 日本医労連の森田進書記長は、期間も対象も限られ「賃上げとは呼べない代物だ」と批判。全国福祉保育労働組合(福祉保育労)の澤村直書記長も「一桁違う。焼け石に水だ」と強調します。賃上げ額が「低すぎて泣ける。あんまりだ」という愛知県医労連のツイッター投稿には約6000余りの「いいね」がつくなど、反響も広がっています。(23日午後5時時点)

 岸田文雄首相がこれらの職種の賃上げを打ち出したのは、コロナ禍で感染症対応や社会生活の維持に不可欠な「エッセンシャルワーカー」として重要性が再認識される一方で、待遇の低さが問題になり、改善を求める声が高まったからのはずです。福祉保育労の澤村書記長は「9000円って小遣いか?というのが現場の受け止めだ。少なくとも全産業平均並みに引き上げる必要がある」と話します。

 「40代前半で7万円程度のベースアップを」と求めていた日本看護協会は、19日に出した見解で、新経済対策を一定評価しつつ、「全国の看護職にあまねく行き届くものではなく、その金額も十分とは言えません」と指摘。夜勤手当を含む平均賃金が30代前半で全産業平均と逆転し、その差が「年齢を重ねるごとに開いていく」として、「賃金水準、賃金体系を改善し、十分な収入増を実現する恒久的な措置の導入を」とくぎを刺しています。


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