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2021年11月19日(金)

看護現場 疲弊し離職絶えず

次に備え増員図れ

コロナ第5波 実態調査

医労連会見

 日本医療労働組合連合会(日本医労連)は18日、東京都内で会見を開き、新型コロナ感染拡大により、医療崩壊が深刻化した第5波(今年7月から9月)の期間の医療現場の実態調査を発表しました。政府に対し医療体制の強化などを要請しました。


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(写真)新型コロナ第5波の実態調査を報告し、政府に要請した日本医労連=18日、日本医療労働会館

 163施設を集約。コロナ患者の受け入れについて、「重症用病床を増やした」が13.2%、「中・軽症用病床を増やした」が43.2%に上りました。

 医療逼迫(ひっぱく)で救急搬送の受け入れを断ったのは30.8%。最高で21件受け入れを断った病院もありました。

 職員のPCR検査は44.2%にとどまり、離職者が増加したのは28.2%。第4波と比べて2倍以上増えました。「5人以上」離職した病院も4割に上っています。

 「他院も満床となる中で助けられずに患者が亡くなるのではないかと不安がつきまとい緊張感がたえなかった」「入院させたくてもベッドがなく探すのに5時間かかったこともあった」との声が寄せられています。

 第6波に備え政府への要求では、「職員の増員」が最も多く31.7%。次いで「病床確保」が21.1%、「賃金引き上げ」11.8%と続きます。

 公立・公的病院の統廃合に関し、「国はベッドを増やせという一方で、病院の統廃合を実施するのは、看護師へのハラスメントそのものだ」といった訴えも出ています。

 川上真理書記次長は「人員不足で患者に行きとどいた看護ができず、心身ともに疲弊して現場を去る看護師が後を絶たない」と指摘しました。

 佐々木悦子委員長は、「政府は病床の確保を求めているが、現場は人員不足で疲弊している。第6波に備え、医師・看護師を確保するための具体策を政府がしっかりと打ち出さなければ、再び医療崩壊が起きかねない」と指摘。法改正による強制力では病床や人材は確保できないと強調し、処遇の改善や医師・看護師の大幅な増員を求めました。

 松田加寿美執行委員は、看護師の平均賃金が月39.4万円などと政府内で示されていることについて、「使われている数値が恣意(しい)的だ。看護師の賃金は賞与や時間外を含めなければ低い」と指摘。医労連内では、看護師の基本給は59歳でも平均37.8万円で、医師を除く正職員の平均は26.4万円しかないと指摘し、抜本的な処遇の改善を求めました。

 政府・厚労省に要請。医師・看護師の人員確保をはじめ、▽すべての医療機関への減収補てんと財政支援▽「原則自宅療養」の方針撤回▽無料での大規模検査の実施▽中小・零細事業者への十分な補償などを求めています。


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