2021年11月8日(月)
COP26inグラスゴー
日本政府 時代遅れ鮮明
開会1週間 今後の注目は
【グラスゴー=桑野白馬】英北部グラスゴーで行われている国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)は6日、開会から1週間を迎えました。今後は、交渉で積み残した課題で各国が足並みをそろえられるかどうかが注目されます。
|
焦点の一つは、温暖化対策の枠組み「パリ協定」で未解決の温室効果ガス削減量の国際取引(協定6条)運用ルールの策定です。9日から始まる閣僚級会合を経てまとまるのか予断を許しません。
また、先進国が途上国に約束した支援資金がまだ達成されていないことで、両者の溝が深まっています。先進国がさらなる資金拠出に応じるかといった点や、2025年以降の支援のあり方をめぐる議論も焦点となります。
1週目は、異例の首脳級会合からスタートしました。議長国・英国が音頭を取り、100カ国超が30年までの森林破壊の停止と、温室効果の高いメタンの排出削減で合意。一定の成果を上げました。
英国が強く推す石炭火力発電からの撤退も焦点となりました。岸田文雄首相は2日、演説で石炭火力に固執する姿勢を表明。温暖化対策に後ろ向きな国に送られる「化石賞」を前回COPに続き受賞しました。岸田氏は石炭火力の「アジアでの重要性」に言及したものの、直後の4日には、英政府の脱石炭に向けた声明に、ベトナムやインドネシアが賛同。世界の流れに取り残された日本の姿が浮き彫りになりました。
パリ協定は今世紀末までに産業革命からの気温上昇を2度より十分低く、できれば1・5度に抑える目標を定めています。5、6両日には、COP26に合わせて訪英した参加者や、地元の若者、全国都市一般労組(GMB)のメンバー約12万5千人が市内に集結。「1・5度目標を生きたままに」「ショーをやめて命を守って」―。参加者の多くが口にしたこの言葉に、世界の首脳陣がどう応えるのかが問われています。