2021年11月1日(月)
教育分野でも男女格差
OECD統計 高等教育の女性比率 日本わずか28%
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日本の教育分野での男女格差が世界でも際立っていることが、経済協力開発機構(OECD)の調査で明らかになっています。OECDの2021年版「図表でみる教育」によれば、19年の高等教育機関の教員に占める女性の割合はOECD平均の44%に対し、日本はわずか28%。比較可能な34カ国で最下位でした。
日本の女性教員比率は05年の18%から一定改善したものの、日本の次に低い韓国、スイス、ルクセンブルクの35%と比べても大きく遅れています。国立大学協会が今年発表した調査では、助手を除いた国立大学の女性教員比率は17・7%。なかでも理学や工学は10%未満でした。教授に占める比率は10・8%、学長・理事・副学長は9・4%でした。
理工系の女性教員比率の引き上げには同分野への女性入学者の増加も重要です。しかし、OECDの調査によれば、日本の高等教育機関の入学者に占める女性の割合は「自然科学・数学・統計学」で27%(OECD平均52%)、「工学・製造・建築」で16%(同26%)と、比較可能な34カ国でいずれも最下位でした。
25~64歳の成人教育に参加する割合は、各国は男性より女性の方がやや多い傾向にあります。しかし日本では、12年時点で学校教育や学校以外での教育に参加した割合は、男性の48%に対し、女性は35%にとどまりました。参加を阻む要因について女性の30%、男性の5%が家事や育児への責任を挙げていました。
日本の中学校の教員に占める女性の割合は約44%です。ところが18年のOECDの国際教員指導環境調査(TALIS)によれば、中学校の校長に女性が占める割合はわずか7%。OECD平均の47・3%に遠く及ばず、ここでも比較可能な国のなかで最下位です。女性校長の比率は、女性の教員比率が6割を超える小学校でも23・1%です。
国立女性教育会館が18年に発表した調査では、女性教員が管理職を志向しない理由として、家庭の育児や介護との両立が難しくなることを挙げる回答が目立っています。