2021年10月31日(日)
“利益優先 気候対策怠った”
米下院 石油大手の責任追及
【ワシントン=島田峰隆】米下院の監視・改革委員会は28日、石油大手企業が自社の利益を優先して気候変動対策を遅らせようとしたとされる問題について公聴会を開きました。委員長のキャロリン・マロニー下院議員は、企業幹部を前に「気候変動の最悪の結果を避ける機会は急速に狭まっている。化石燃料業界が態度を改める時だ」と指摘しました。
公聴会では、エクソンモービル、BP、シェブロン、シェルの石油大手4社の幹部らが証言しました。
米メディアなどによると、エクソンモービルやシェルの社内では1970年代から80年代に、科学者が経営陣に対し、化石燃料の燃焼が地球規模の気候変動を起こしていると警告していました。しかし経営陣は対策を取らず、化石燃料事業を進め、巨額の利益を上げました。
マロニー氏は「米国民は気候変動を抑制できたかもしれない30年余りを失った。その結果が今日の強力なハリケーン、危険な山火事、破滅的な洪水だ」と批判しました。幹部らは「化石燃料の使用が気候変動の一因となっている」(シェブロン)と認める一方で、石油やガスは今後も必要だとして「簡単な答えはない」(エクソン)などと表明しました。