2021年10月28日(木)
非常勤講師の地位改善
女性研究者ら 各党回答を公表
共産 国が環境づくりを
自公 大学に責任を転嫁
|
日本学術会議会員・連携会員を歴任した女性研究者などでつくる「女性科学研究者の環境改善に関する懇談会」(JAICOWS)は27日、参院議員会館で会見し、各政党に非常勤講師の地位改善について要望した回答結果を公表しました。
羽場久美子青山学院大学名誉教授は「コロナ禍で非正規雇用労働者が収入を失った。大学の非常勤講師もひどい状況に陥った」と指摘。「このままでは、教育研究が崩壊する。総選挙で、状況を改善する政党を伸ばしてほしい」と述べました。
関西非常勤講師組合の江尻彰書記長は非常勤講師の実態を報告し「5年無期転換が問題になっている。大阪大学は、非常勤講師を労働契約だと認めず、業務委託だと主張していたが、一部を労働契約にするというようになった。団体交渉で全員の労働契約、無期転換を求めている」ことなどを紹介しました。
要望書は、非常勤講師の賃金改善、研究環境改善、研究員としての肩書付与▽コロナ禍のオンライン化負担への支援▽女性差別、パワハラ・セクハラの外部中立機関による不服申し立て制度確立▽奨学金返済への配慮▽保育所入所への配慮、育児・介護休業制度の適用▽コロナ禍のひとり親と子どもの支援―などを求めました。
自民党、公明党は、非常勤講師の処遇について「各大学の責任のもとに判断され、決定される」として、国は大学への補助事業を通じて支援するものだと回答。羽場氏は、「大学の責任にすることが、諸悪の根源だ」と強調しました。
日本共産党は、「国は非常勤講師や研究員を使い捨てにしていると言われても仕方ない」と指摘。「安定した研究職の抜本増など研究者が安心して力を発揮できる環境づくり」をすすめると回答しました。
維新の会は回答しませんでした。