2021年10月26日(火)
共闘推進の共産党
比例での躍進必ず
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「共闘の大義を絶対に裏切らない共産党の姿勢にいつも感銘を受けてきた」(「市民連合@みやぎ」の多々良哲事務局長)―。「自公VS野党共闘」という総選挙(31日投票)の対立構図が鮮明になるなか、野党共闘の要となる日本共産党の躍進への期待が高まっています。そこには、安保法制=戦争法が強行された2015年9月の「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」の呼び掛け以来、ブレずに、誠実に野党共闘に力をつくしてきた日本共産党への信頼があります。
ブレずに奮闘
日本共産党は、共闘をすすめるうえで妨害や難しい問題が起こっても、ブレずに共闘を推進してきました。
17年9月、安倍晋三首相(当時)が解散を打ち出すと、民進党が希望の党への合流を突然決め、野党共闘を破壊する逆流が起きました。日本共産党は「逆流とは断固としてたたかう」「共闘は決して諦めない」と表明。共闘が崩壊の危機にひんした緊急事態のもとで、共闘を守る決断をし、共闘を追求する政党、議員、候補者と力をあわせるために奮闘しました。
同年の総選挙で、日本共産党は新しくできた立憲民主党との共闘勢力一本化のために、全国の小選挙区で一方的に候補者を取り下げることを決断。その結果、日本共産党は議席を減らしましたが、候補者を擁立しなかった83選挙区のうち32選挙区で共闘勢力が勝利しました。
「野党共闘に対するクーデター的破壊の動きを日本共産党は身をていして止めました」「ブレない共産党を心強く思います」(中野晃一上智大教授)など多くの識者、市民がブレない共産党を高く評価しました。
誠実さに共感
「大臣のポストがほしくてやっているわけじゃない。日本の政治が変わればいい」―。今月2日、東京・新宿駅前のオンライン街頭演説で、日本共産党の志位和夫委員長は野党共闘に臨む姿勢について、こう訴えました。党利党略ではなく、日本の政治をよくするという一点のみで野党共闘を進める日本共産党の誠実さにも共感が集まっています。
今回の総選挙では、全国289の小選挙区のうち、213選挙区は野党候補で一本化しました。7割以上の選挙区で与野党1対1の対決構図をつくりました。メディアは一本化が進んだことについて「最大の要因は、共産が当初から擁立数を抑えていたこと。立民現職がいる105選挙区の9割で擁立を見送った上、13日には21選挙区で候補者取り下げを発表した」(「産経」16日付)と指摘します。
共闘は、政治的立場の違うものが一致点で協力することで、違いがあって当たり前です。違いがあった時に、お互いの違いをリスペクトし合うことが大事で、政党は違っても互いに手を取り合って選挙をたたかう野党候補の姿が各地で広がっています。「ユニティー・イン・ダイバーシティー(多様性の中の統一)」こそ一番強いというのが日本共産党の立場です。
政策実現の要
「今度の選挙は自由民主主義の政権を選ぶのか、共産主義が入ってくる政権を選ぶのか、体制選択の選挙だ」(自民党の甘利明幹事長)―。自民党は、日本共産党が加わる野党共闘が現実の脅威となっていることにおびえ、的外れな攻撃を強めています。
しかし、市民連合と野党が合意した20項目の共通政策(別項)には、「共産主義」などという言葉はどこにもありません。一方、共通政策の20項目は、どれも自公政治の根本転換を迫るものばかり。実行しようとすれば、激しい妨害や抵抗にぶつかります。
野党はこれまでも、18本のコロナ関連法案をはじめ、原発ゼロ基本法案や選択的夫婦別姓法案などさまざまな分野で、法案を共同提案してきました。これらの実現のためには、共通政策の土台を支える強大な日本共産党国会議員団が必要です。
日本共産党は四つのチェンジを掲げ、政治論戦をリード。(1)新自由主義を終わらせ、命・暮らし第一に(2)気候危機を打開し、地球の未来を守る政治に(3)ジェンダー平等の日本へ(4)憲法9条を生かした平和外交へ―のどれもが、共通政策の実現をはかるうえで根本的に必要なことを提起しています。
経済論戦では、「成長と分配の好循環」などと言い出した岸田文雄首相に対し、志位委員長が「分配の中身がゆがんでいる」とズバリ指摘。「大金持ちと大企業が分配を独り占めにしてしまい、庶民の暮らしに分配が回らない」と述べ、自公を追い詰めています。気候変動とジェンダーという世界の新しい大問題を先駆的に取り上げ、論戦の柱にしているのも日本共産党だけです。
総選挙は最終盤に向け、自民、公明に有権者の厳しい目が向けられる一方、新しい政治への切り替えを迫る野党共闘への期待が高まっています。その共闘をブレずに、誠実に進める日本共産党の躍進が、どうしても必要です。
「比例は日本共産党」―。この声を大きく広げることが、政治を変える一歩になります。
2015年 9月 | 安保法制=戦争法の強行成立 共産党の志位和夫委員長が「戦争法廃止の国民連合政府」提案発表 |
12月 | 「市民連合」を結成 |
16年 7月 | 参院選の32の1人区中11選挙区で野党統一候補が勝利 自民党は13年比で10議席減 |
17年9月 | 小池百合子東京都知事が「希望の党」を結党 |
民進党が「希望の党」への合流を決定し、事実上の解党 | |
10月 | 枝野幸男氏らが立憲民主党を結党 |
衆院選投開票 共産党が候補者を取り下げ・立てなかった83選挙区のうち32選挙区で共闘勢力が勝利。共産、立民、社民の3野党が38議席から69議席へ | |
19年 7月 | 参院選の32の1人区中10選挙区で野党統一候補が勝利 自民党が参院での単独過半数割れ |
21年 4月 | 共産・志位委員長と立民・枝野代表が会談。総選挙にむけた協力のための協議を開始することで一致 |
7月 | 東京都議選で共産党で一本化した5の選挙区、立憲民主党などで一本化した7の選挙区で勝利 |
9月 | 立民、共産、社民、れいわ4党が「市民連合」の共通政策を合意 |
共産党の志位委員長と立民の枝野代表が政権協力で合意 |
衆議院総選挙における野党共通政策の提言
――命を守るために政治の転換を―― 〈再録〉
立憲民主党と日本共産党、社会民主党、れいわ新選組の野党4党が9月8日、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」と合意した共通政策を改めて紹介します。
新型コロナウイルスの感染の急拡大の中で、自公政権の統治能力の喪失は明らかとなっている。政策の破綻は、安倍、菅政権の9年間で情報を隠蔽(いんぺい)し、理性的な対話を拒絶してきたことの帰結である。この秋に行われる衆議院総選挙で野党協力を広げ、自公政権を倒し、新しい政治を実現することは、日本の世の中に道理と正義を回復するとともに、市民の命を守るために不可欠である。
市民連合は、野党各党に次の諸政策を共有して戦い、下記の政策を実行する政権の実現をめざすことを求める。
1 憲法に基づく政治の回復
・安保法制、特定秘密保護法、共謀罪法などの法律の違憲部分を廃止し、コロナ禍に乗じた憲法改悪に反対する。
・平和憲法の精神に基づき、総合的な安全保障の手段を追求し、アジアにおける平和の創出のためにあらゆる外交努力を行う。
・核兵器禁止条約の批准をめざし、まずは締約国会議へのオブザーバー参加に向け努力する。
・地元合意もなく、環境を破壊する沖縄辺野古での新基地建設を中止する。
2 科学的知見に基づく新型コロナウイルス対策の強化
・従来の医療費削減政策を転換し、医療・公衆衛生の整備を迅速に進める。
・医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーの待遇改善を急ぐ。
・コロナ禍による倒産、失業などの打撃を受けた人や企業を救うため、万全の財政支援を行う。
3 格差と貧困を是正する
・最低賃金の引き上げや非正規雇用・フリーランスの処遇改善により、ワーキングプアをなくす。
・誰もが人間らしい生活を送れるよう、住宅、教育、医療、保育、介護について公的支援を拡充し、子育て世代や若者への社会的投資の充実を図る。
・所得、法人、資産の税制、および社会保険料負担を見直し、消費税減税を行い、富裕層の負担を強化するなど公平な税制を実現し、また低所得層や中間層への再分配を強化する。
4 地球環境を守るエネルギー転換と地域分散型経済システムへの移行
・再生可能エネルギーの拡充により、石炭火力から脱却し、原発のない脱炭素社会を追求する。
・エネルギー転換を軸としたイノベーションと地域における新たな産業を育成する。
・自然災害から命とくらしを守る政治の実現。
・農林水産業への支援を強め、食料安全保障を確保する。
5 ジェンダー視点に基づいた自由で公平な社会の実現
・ジェンダー、人種、年齢、障がいなどによる差別を許さないために選択的夫婦別姓制度やLGBT平等法などを成立させるとともに、女性に対する性暴力根絶に向けた法整備を進める。
・ジェンダー平等をめざす視点から家族制度、雇用制度などに関する法律を見直すとともに、保育、教育、介護などの対人サービスへの公的支援を拡充する。
・政治をはじめとした意思決定の場における女性の過少代表を解消するため、議員間男女同数化(パリテ)を推進する。
6 権力の私物化を許さず、公平で透明な行政を実現する
・森友・加計問題、桜を見る会疑惑など、安倍、菅政権の下で起きた権力私物化の疑惑について、真相究明を行う。
・日本学術会議の会員を同会議の推薦通りに任命する。
・内閣人事局のあり方を見直し、公正な公務員人事を確立する。
2021年9月8日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合