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2021年10月23日(土)

自民公約「成長と分配」

アベノミクスの中身踏襲

負担増と低成長の悪循環

 岸田文雄首相は「成長と分配の好循環」を経済政策のスローガンにします。これ自体がアベノミクス(安倍晋三政権の経済政策)の引き写しですが、自民党の公約(「政権公約」と「総合政策集」)の中身もアベノミクスを踏襲するものです。

 自民党公約は「成長戦略」に、デジタル化の恩恵を受ける大企業などへの支援策ばかりを盛り込みました。「岩盤規制改革」で「世界で一番ビジネスしやすい環境を作る」という安倍元首相の口癖まで取り入れました。

 かつて、2012年の総選挙で安倍・自民党が掲げた「重点政策2012」にこんな文言があります。

 「『世界で一番企業が活躍しやすい国』『個人の可能性が最大限発揮され、雇用と所得が拡大する国』を目指す」

 岸田・自民党の公約とうり二つです。ではアベノミクスの実績はどうだったでしょうか。

 政権に復帰した自公・安倍政権は消費税を2度も増税し、国民に13兆円もの負担をかぶせました。社会保障制度も次々に改悪し、国民の負担を増やしました。他方で法人税を減税しましたが、大企業は増えた利益を配当と内部留保に回すばかりで、実質賃金は22万円減りました。需要が低迷し、日本経済は主要国最低水準の低成長に沈みました。

 岸田・自民党の公約は、国民負担増が経済の低成長をもたらしたという認識に立たず、病床削減などの社会保障制度改悪を続ける姿勢です。賃上げ政策も「税制支援」が中心で、法人税を納める黒字企業を支援したアベノミクスと同じ考え方です。最低賃金を大幅に引き上げる決意もありません。これでは国民の所得は増えません。

 こうした政策が「成長戦略」の名に値しないことはアベノミクスの実績から明らかです。「国民負担増と低成長の悪循環」戦略です。(杉本恒如)


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