2021年10月22日(金)
4つのチェンジで希望ある日本を
(1)新自由主義の転換
学び 子育て 安心の社会へ お金の心配させません
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日本の少子化が止まりません。2017~20年のわずか4年間で1年間に生まれる子どもは約10万人も減少しました。最大の原因は子育てに対する政府の支援が少なく、子育てや教育にお金がかかりすぎることです。日本共産党は、社会全体で子育てを支え、お金の心配なく、学び、子育てできる社会へ転換します。
内閣府の調査でも、理想の子どもの数を持てない理由で一番多いのは「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」です。
日本の大学の初年度納付金は国立で約82万円、私立で約134万円です。ヨーロッパの国々では、大学の学費は無償かごく少額です。
受益者負担見直せ
日本では所得が低い世帯の子どもほど大学進学率も低くなり、家庭の経済状況で教育を受ける権利に差が生じています。さらに、大卒の月額賃金(全年齢平均)約39万円に対し、高卒は約29万円。教育格差が卒業後は所得格差に置き換わり、格差の固定化につながっています。
アルバイトを掛け持ちしなければ大学に通えない学生が多いところに新型コロナが直撃し、学生の暮らしがさらに悪化。全国で学費引き下げを求める声が起こりました。
日本の異常な高学費の背景には“利益を得る学生が費用を負担すべきだ”という新自由主義的な「受益者負担」の発想があります。岸田文雄首相は、授業料の出世払いを提案するだけで、学費引き下げには言及しません。
しかし、大学などで学んだ学生は社会の各分野の働き手になります。高等教育は社会全体の力として不可欠であり、無償化こそ目指すべきです。日本共産党は新自由主義的な受益者負担の考え方を転換し、大学・短大・専門学校の学費をすみやかに半額に引き下げ、高等教育の無償化をめざします。入学金制度も廃止します。
日本の国内総生産(GDP)に占める公的教育費は経済協力開発機構(OECD)加盟国で比較可能な38カ国中37位と最低水準です。OECD平均まで引き上げれば、学費引き下げや本格的な給付奨学金制度の創設、小中学校の学校給食の無償化、小中高での少人数学級の推進は十分できます。
他の先進国並みを
高いのは教育費だけではありません。政府は3~5歳児の保育料は消費税を財源に無償化したものの、0~2歳児は有償のまま(非課税世帯は無償)。世帯年収330万~470万円の第1子の保育料は国の基準額で月3万円もします。年収が増えると最高10万円台まで上がります。
子どもにかかる費用にはほかにも食費や衣類・服飾費、生活用品費、医療費などがあります。内閣府の調査では、子どもの1年間の食費は小学生で30万円、中学生で40万円を超えます。(学校給食費を含む)
児童手当は段階的に拡充されてきたものの、0~3歳未満が月1万5千円、その後は中学校卒業まで1万円(第3子は小学校卒業まで1万5千円)。児童手当以外の支援策も貧弱で、子育て世帯への現金・現物給付を示す「家族関係社会支出」のGDP比はスウェーデンの3・42%に対し、日本は1・65%と半分以下です。
子育てにお金をかけない政治を転換し、家族関係社会支出を他の先進国並みに引き上げれば、児童手当の額や支給年齢を引き上げるだけにとどまらない、さまざまな子育て支援が可能になります。
日本共産党の改革案骨子
○大学・短大・専門学校の学費をすみやかに半額に引き下げ、高等教育の無償化をめざします。
○入学金制度をなくします。
○「自宅4万円、自宅外8万円」の給付奨学金を75万人が利用できる制度をつくり、拡充していきます。すべての奨学金を無利子にします。奨学金返済が困難になった場合の減免制度をつくります。
○学生支援緊急給付金の継続的な実施、休学や卒業延期した学生の学費補助など、コロナ対応の支援を抜本的に強化します。
○私立高校の負担の軽減をすすめ、高校教育の無償化をすすめます。
○学校給食の無償化をすすめます。義務教育で残されている教育費負担をなくします。
○認可保育所を30万人分増設し、保育水準を確保しながら待機児童を解消します。
○児童手当の18歳までの支給、児童扶養手当、就学援助の額と対象の拡大など、子育て世帯に向けた継続的・恒常的な現金給付を拡充します。
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