2021年10月22日(金)
対談 志位さん×たかまつななさん
共産主義の理念・中国問題…
ツイッターでもトレンド入り!
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日本共産党の志位和夫委員長と時事ユーチューバーのたかまつななさんとの対談が、インターネット上の国内記事のアクセスランキング1位(15日時点)になり、ツイッターの投稿の数が上位を占めたことを示す「トレンド入り」を果たすなど、大きな注目を集めています。共産主義の理念と中国問題を語った部分について紹介します。
■キーワードは「自由」
志位氏は「日本共産党は、どういうことを理念にした党ですか」と問いかけられ、「社会主義・共産主義が理念です。人類の歴史は資本主義で終わりだろうかと考えると、いま世界的にも貧富の格差がひどい。気候変動も大変な危機になっています。お金もうけ第一、利潤第一では立ち行かなくなっている。この社会を乗り越えて人類はもっと先に進むことができる」と語りました。
たかまつ氏は「『共産主義』という言葉をちょっと怖いと思う人は少なくありません」と質問。志位氏は「日本共産党が目指す社会主義・共産主義は、崩壊したソ連、現在の中国のような自由もなければ民主主義もない、人権もないという社会ではありません」と語りました。
その上で、志位氏は「資本主義の下でみんなの力で勝ち取った自由や民主主義、人間の個性をみんな引き継いで豊かに花を開かせる社会です。マルクスもエンゲルスも、若いころからそういう社会をどうしたらつくれるかをずっと探求していた。『共産党宣言』の有名な言葉として、『共産主義とは、各人の自由な発展が万人の自由な発展の条件になる』があります。キーワードは『自由』なんです」と強調しました。
■暮らしも企業もプラスに
たかまつ氏は「社会主義や共産主義では、貧富の差はなくなると思いますが、大企業からお金を取ると起業するマインド、競争力が失われるのでは」と質問しました。
志位氏は「大企業をつぶしたりすることは考えていません」ときっぱり。「大企業は大きな社会的な力を持っていますから、それにふさわしい社会的な責任を果たしてもらうという考えです。税金は応分の負担をしてもらうけれども、競争力がなくなるというのは神話だと思います」と答えました。
志位氏は、政府統計では企業が投資先で重視するのは税金の軽い国ではなく、需要があるかどうかだと指摘し、「日本の企業にとって問題なのは、内需が冷え込んで、国内で物が売れないこと。企業が応分の負担をして国民の暮らしが豊かになる方向で再配分をしたら、企業にとってもゆくゆくはプラスになる」と主張しました。
たかまつ氏は「みんなで分担する社会になると、例えば才能のないお笑い芸人が夢を追えない社会になるのでは」と率直な疑問を投げかけました。志位氏は、共産主義社会の最大の特徴は「全ての人間が自由で全面的に発展できること」だと強調し、そのために労働時間の抜本的な短縮が重要だと語りました。
■9条生かした平和外交
自衛隊や中国問題についても話題に。志位氏は、日本共産党の立場として、自衛隊と憲法9条の矛盾について、9条という理想に向かって、自衛隊の現実を一歩一歩変えて、国民の合意で9条の全面実施をすると答えました。
たかまつ氏は「自衛隊がなくなると、中国の脅威が高まりませんか」と質問すると、志位氏は、軍事には軍事で対応するという考え方が一番危ないと指摘し、「外交の力で中国の横暴を抑えていくことが重要です」と強調しました。
志位氏は「日本政府の中国への対応で一番欠けているのは、国際法に基づく批判です。日本共産党は、東シナ海や南シナ海(での中国の行為)も国際法違反だとずっと批判し続けてきました。香港やウイグルについても、あのような人権抑圧は、世界人権宣言・国際人権規約・ウィーン宣言など、中国も賛成した国際規範にも反しているときちん批判する必要があります」と語りました。
■「アメリカ言いなり」正す
たかまつ氏は「日本共産党が国会で最も多く議席を占めたら、社会はどう変わるんですか」とずばり質問。
志位氏は「日本共産党は一気に社会主義・共産主義を目指しているわけではありません」と述べ、「今の日本には大きな二つのゆがみがあります。一つはあまりにひどい『アメリカ言いなり』。例えば沖縄の米軍基地新規建設の問題。アメリカ言いなりを正して、本当の独立国と言える日本をつくる。もう一つは、財界の身勝手という問題。働く人を使い捨てにする、例えば長時間労働・過密労働・非正規雇用。こういうまともなルールがない社会をきちんと正していく。民主主義の徹底した日本をつくる」と語りました。