2021年10月3日(日)
将棋 第52期新人王戦
同期対決 制するのは?
あすから決勝三番勝負
将棋の第52期新人王戦(しんぶん赤旗主催)決勝三番勝負は4日、大阪市の関西将棋会館で開幕します。決勝に勝ち上がったのは伊藤匠四段(18)と古賀悠聖四段(20)の東西それぞれを代表する若きエース。ともに2020年10月に四段昇段・プロデビューを果たした同期対決です。プロ1年目で、「新人王」にふさわしい若き同期対決を制するのはどちらか?
いい将棋を指したい
伊藤匠四段
|
伊藤匠四段は、藤井聡太三冠と同い年。7月生まれの藤井三冠に対して10月生まれのため、四段昇段・プロデビューの際には「3年ぶりの現役最年少棋士の誕生」と話題になりました。
新人王戦は奨励会三段時代も含め、3年連続3回目の出場で、初の決勝進出を果たしました。
準々決勝の古森悠太五段戦が「苦しい将棋を勝てた」と、記憶に残っています。中盤で形勢を損ねましたが、そこから「諦めずに粘ることができた」と、振り返ります。
プロ棋士となる最後の難関、三段リーグはトップの成績で抜けてプロデビュー。相手の古賀四段には三段リーグでは負け越しています。「研究熱心」と、古賀四段の印象を語ります。
今年度はこれまで20勝6敗・勝率7割6分9厘。勝数は全棋士中3位です。勝率ランキング、連勝(10連勝)ランキングとも6位と好成績を残して決勝に臨みます。
「よく準備して、決勝にふさわしい内容の良い将棋を指して、優勝を目指します」。決勝三番勝負への決意を語りました。
いとう・たくみ 2002年10月10日生まれ。東京出身。宮田利男八段門下。20年10月、四段昇段・プロデビュー。
自信もち優勝目指す
古賀悠聖四段
|
「フリークラスから抜けることができた、次は新人王戦だ」―意気込む古賀悠聖四段。2回目の新人王戦出場で、早くも決勝進出を決めました。
四段昇段・プロ棋士になる条件は、奨励会三段リーグで1位か2位になること。3位の次点2回で名人戦の予選につながる順位戦には出場資格のないフリークラスとしてのプロデビューを果たしました。
準決勝、梶浦宏孝七段戦はフリークラスからの昇級もかかった大一番でした。「終盤、負けの局面もあった。(決勝進出と昇級)二重の意味で重い一番を勝つことができ、自信にもなった」「2年以内にフリークラスを抜けるのが当初の目標。それを1年以上短縮できた」と、手応えを感じています。
伊藤四段については「序盤から終盤までスキのない将棋を指すイメージ」と言います。
青嶋未来六段、第49期準優勝の出口若武五段、2期連続準決勝進出の梶浦七段と、強敵を次つぎ倒しての決勝進出。「決勝の相手も強敵。簡単ではないけれども、自信をもって決勝に臨みたい」と決意を語りました。
こが・ゆうせい 2001年1月1日生まれ。福岡出身。中田功八段門下。20年10月、四段昇段・フリークラスとしてプロデビュー。21年順位戦C級2組へ昇級。
決勝三番勝負の日程
第1局 10月4日(月) 大阪・福島区 関西将棋会館
第2局 10月11日(月) 東京・渋谷区 将棋会館
第3局 10月18日(月) 東京・渋谷区 将棋会館
(すべて午前10時開始)
|