2021年9月29日(水)
「桜を見る会」法律家の質問状
自民 総裁選3氏回答せず
4野党 政権交代し徹底解明
「『桜を見る会』を追及する法律家の会」は27日、自民党総裁選の候補者4人と各政党の代表に送った公開質問状の回答を公表しました。総裁候補のうち河野太郎氏は、質問状の受け取りを拒否。岸田文雄氏と高市早苗氏は、質問に回答しませんでした。日本共産党の志位和夫委員長は「政権私物化の真相の徹底究明を行います」などと回答しました。
「桜を見る会」前夜祭の費用を安倍晋三前首相の後援会が補填(ほてん)していた事件をめぐっては、検察審査会が同氏を不起訴不当と議決しています。法律家らは「桜を見る会」について、(1)「選定基準に則(のっと)って厳格かつ透明性の高いものにしてもらいたい」との検察審査会の指摘に対する考え(2)首相や政権与党になった場合、「桜を見る会」問題にどう対応するか―と質問しています。
前夜祭については、(1)「総理大臣であった者が、秘書がやったことだと言って関知しない姿勢は国民感情として納得できない」との検察審査会の指摘に対する考え(2)「説明責任を果たすべき」との検察審査会の指摘に対する考え(3)安倍氏が説明責任を果たしていないと考える場合、国会や内閣はどのような対応をとるべきか―とただしています。
共産党の志位委員長と立憲民主党の枝野幸男代表、社民党の福島瑞穂党首、れいわ新選組の山本太郎代表は、いずれも検察審査会の判断と指摘に同意し、政権交代後に政府として徹底解明すると表明しました。
公明党の山口那津男代表は「東京地検の判断を見守る」とし、日本維新の会の松井一郎代表と国民民主党の玉木雄一郎代表は無回答でした。
自民党総裁候補で唯一回答した野田聖子氏は、検察審査会の判断を「賛同します」「丁寧に説明すべき」だと回答しました。
志位委員長の回答
〔「桜を見る会」について〕
「桜を見る会」の参加候補者の選定基準に関しては厳格にする必要があるとの指摘は当然ですが、会の開催そのもののあり方も含め、国家予算の使い方として見直す必要があると考えます。
〔「桜を見る会」前夜祭について〕
(1)秘書がやったことで自分は関知しないという総理大臣の態度は無責任極まりなく、検察審査会の「国民感情として納得がいかない」という指摘は、その通りだと思います。
(2)国会議員は国民の代表として責任感を持ち政治活動を行うべきであり、検察審査会の指摘は1985年に国会で議決された政治倫理綱領の中の「政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合には、みずから真摯(しんし)な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない」という項目と同趣旨のものであり、政治家として厳守すべきと思います。
(3)説明責任は全く果たしていません。国会質疑での安倍首相(当時)の答弁と首相退任後の発言とはかなりの食い違いがみられ、秘書に責任を押し付けて幕引きをしています。自公政権の枠内では真相究明はできません。来たる総選挙で政権交代し、野党連合政権のもと、必ず「桜を見る会」の私物化、それを利用した反社会的集団への利益供与など政権私物化の真相の徹底究明を行います。